タイシコーポレーション株式会社 / 代表取締役 山本真三氏
ビジネスは「攻め時」と「引き際」の見極めが大事とよく言われます。タイシコーポレーション代表取締役・山本真三氏は、その見極めに成功。イベリコ豚専門の外食事業・通販・惣菜事業を展開し、コロナ禍にありながらも着実に売り上げを伸ばしています。イベリコ豚が生息する森を守るために植樹活動も行い、
「イベリコ豚を世界中に広める」と「環境問題解決№1企業になる」を事業テーマに掲げる山本氏。イベリコ豚とともに描く同社の未来を伺いました。
こだわりは最高級「レアル・ベジョータ」。
奇跡の生ハムはギネスブックに
「IBERICO-YA」。グルメな方ならその名を一度は聞いたことがあるでしょう。タイシコーポレーションが運営するイベリコ豚専門レストランで、心斎橋・北新地・六本木に店舗を構えます。使用するのは、最高ランクの
「レアル・ベジョータ」。ドングリや自生植物のみを与えて放牧肥育し、様々な条件をクリアしたものです。この貴重な肉を、生ハム・しゃぶしゃぶで・ステーキ…と多種多彩な料理で楽しむことができます。
レアル・ベジョータの生ハムは弊社看板商品。通常は2年熟成ですが、うちでしか手に入らない貴重な4年熟成ものを扱っています。さらに1年追熟して5年間熟成した生ハムは、2020年に世界一高い生ハム(1本143万円)としてギネス認定されました。コロナ禍真っただ中の5月頃だったので、あまり話題になりませんでしたけど(笑)。
熟成期間が長ければ長いほど、小さな肉では塩分が入りすぎて身が固くなります。5年熟成に耐えられるには10㎏以上が必要で、全レアル・ベジョータの0.01%以下だそう。販売価格10,800円/50gというのも頷ける、まさに
奇跡の生ハムです。
幾度かの経営危機を
イベリコ豚と乗り越える
山本氏が初めてイベリコ豚に出会ったのは、2001年に父親とヨーロッパへ赴いた時でした。父親が1956年に精肉店を開業し、卸・外食業と事業を拡大していたところ、2001年の狂牛病問題が降りかかります。肉が売れなくなり、活路を見出そうと向かったのがヨーロッパだったのです。最後に訪れたスペイン南部の小さな村、
ハブーコ村で見つけたのがイベリコ豚でした。
当時の日本とスペインは食肉の輸出入ができない状態でした。そこで父は両政府と交渉を重ね、5年かけて輸入ができるようになったのです。
2003年、山本氏は23歳という若さでタイシコーポレーションを設立。焼肉店や食べ放題のレストランなどを経営するとともに、イベリコ豚の地名度を上げようと2007年にイベリコ屋心斎橋店をオープンします。その後も梅田・奈良・・神戸・六本木・和歌山…と
イベリコ屋を開店させますが、出せば出すほど赤字に。そこで
イベリコ屋をリブランディングして「IBERICO-YA」に変更し、店舗も大幅に縮小。
経営の立て直しを図りました。2011年10月のことです。
そこで追い風になったのは、2011年12月に西武渋谷のデパ地下にオープンしたIBERICO-YA渋谷店でした。
惣菜やお弁当の店ですが、立地があまりよくないということで有名だったんです。そこで百貨店にギフトもやらせてほしいとお願いしたところ、これが大当たり。ギフトの大切さを実感しました。
15年に北新地店、16年にはネット通販も開始。社員総勢6名という少数精鋭ぶりは驚きです。
イベリコ豚の森を守るため
スペインで植樹活動も
イベリコ豚は飼育方法によって3ランクに分けられますが、どんぐりを食べて生育するのは最高級のベジョータのみ。その中で血統100%のものは、イベリコ豚全体のわずか2%。同社では血統100%かつ樹齢200年以上のどんぐりを与えて育てたベジョータを「レアル・ベジョータ」と定義しています。
レアル・ベジョータが育つには、1頭に対して約1㎢の土地が必要だそう。もちろん餌のどんぐりをつける樹齢200年以上のコルク樫が育っていなければなりません。山本氏は、イベリコ豚に関する知識を増やすために歴史や現状を調べているうちに大きな問題に直面します。それは、
イベリコ豚が住む森「デエサ」の減少でした。
イベリコ豚を育てるには広い土地と手間とコストがかかります。廃業する業者さんもいて、デエサが宅地やゴルフ場になっているのです。コルク樫が育つまでには最低でも30年はかかるので、森を元の状態に戻すのはほぼ不可能になっています。そこで、2015年からイベリコ豚の森植樹プロジェクトを立ち上げました。飲食店や通販の売り上げの一部でコルク樫の苗木を購入し、一般のお客様も巻き込んだ植樹体験ツアーを開催。これまでに累計約5,000本を植樹しました。
残念ながら今年はコロナ禍のためにツアーは開催されませんでしたが、「可能な限り続けていきたい。当面の目標は10,000本です」と山本氏は言います。2017年には、スペインに直営農場を設立。
生産から加工・販売まで行う国内唯一のイベリコ豚専門店です。
コロナ禍も通販事業でカバー。
次なる目標は…
他店と同様、今回のコロナ禍で「IBERICO-YA」も大きな打撃を受けました。しかし、それを補って余りある売り上げを記録したのが
通販事業です。いわゆる“巣ごもり消費”で、多少高価でも自宅で美味しいものが食べたいという人たちの需要とマッチしたのでしょう。ちなみに
人気№1商品は、「生ハム5種食べ比べセット」5,890円なり。レアル・ベジョータの4年熟成ハモンイベリコ・30ヵ月熟成ベジョータ・18ヵ月熟成セラーノ・ベジョータのプレミアムサラミ・ベジョータのプレミアムチョリソー各20gが楽しめます。
今後について山本氏は、
他社への卸、特に高級スーパーへの卸に力を入れていきたいです。今のところ、クイーンズ伊勢丹・いかりスーパーとの取引が決まっています。
さらに、海外展開も視野に。グループ会社のある中国を足掛かりに、アジアにイベリコ豚を広めたいと考えています。
そして30年後にはスペインでイベリコ豚の№1ブランドになるのが目標です。
御年40歳の山本さん。夢の実現に邁進する日々は続きます。
タイシコーポレーション株式会社
本社:〒557-0011 大阪府大阪市西成区天下茶屋東2-13-29
オフィシャルサイト:https://taishi-co.com/
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ホール・調理補助(イベリコ屋北新地店・心斎橋店)/タイシコーポレーション株式会社