2021年05月21日 09:30
長年勤めた会社が経営難となり、私の頭に浮かんだのがちょうど流行っていた映画『タイタニック』のワンシーンでした。絶対に沈まないと思われていた巨大客船が、沈没してしまう。恩を受けた会社でしたが、沈む船に乗りつづける人はいません。会社が希望退職者を募ったとき、私も迷わず手を挙げました。貯金もあったし、退職金もあった。会社都合の退職ですから失業保険も入る。慌てて働く気も起こらず、退社後はしばらく、大阪の街をただぶらぶらと歩いて過ごす日々が続きました。
どれだけ優秀な経営者でも、売り上げはコントロールできません。水物ですもん。だけどね、経費はコントロールできる。そのことを私は、在職中から痛感していました。バイヤーや店長という仕事に、経費削減は付き物ですからね。「大阪の街を元気にしたい」。その想いから、私の知識やスキルを地域に還元して個人店を支援しようという考えに至ったのです。
このビジネスはほんと、楽しくて仕方なかったですよ。だって、お客様はみんな大喜び。「ありがとう」と言って、新たな顧客の紹介もしてくれました。まさに喜びの連鎖としか言いようがありません。前職の同僚や上司たちが全国に散らばってそれぞれの道で活躍していたこともあり、人脈を生かして大企業と仕事をする機会も増えていきました。
経費を圧縮するにも限界がありますし、それだけでは淘汰される。会社の成長を考えれば、売り上げを伸ばし、利益を出さないといけません。「販促もやってくれへん?」。当然の流れとして、売り上げアップの施策を望む声が、顧客から寄せられました。それに応える形で、印刷にWEBに、事業はどんどん拡大。アプリやホームページの制作は7年前から。最近では『PUSHPLUSドウガ』サービスもスタートさせました。
『PUSHPLUSドウガ』は、10秒のPR動画を制作し、15,000円(税別)という破格で提供するサービスです。「10秒」という短い尺にこだわっているのは、広告としてスキップされにくく、商品やサービスの魅力を充分に訴求するため。通常、エージェントや代理店で制作を依頼すれば、おそらく何十万もかかるでしょう。私たちの場合、社員に優秀な技術者がいるので、外注費が抑えられる。そして、全国に仲間や顧客がいる強み。素晴らしいサービスをリリースしたら、それを全国の顧客や仲間にアナウンスするだけで大量の受注が見込める。
だから、ローコストでもハイパフォーマンスなサービスが提供できるのです。高く売る気は毛頭ありません。
新型コロナウイルスの感染が拡大した昨年、何もかもが自粛モード。時間を持て余し、学生時代にのめり込んだバンド活動を再開しました。当時は、アルバイトをしてお金を貯め、スタジオを借りて練習し、学園祭やライブハウスで披露したものです。そのライブハウスがコロナ禍で苦況に追い込まれています。このまま誰も何もせずにいたら、日本の音楽シーンにも悪影響が出ると心配になりました。テンプラスの出番だ!と思いました。
テンプラスエンタテインメントという音楽プロダクションを作りたいですね。僕が、所属アーティスト第1号です。すでに7曲作って、5曲は収録済み。これからミュージックビデオの作成も控えています。作った楽曲は、テンプラスレーベルで販売して…。