2025年01月17日 09:30
当時1杯10円で冷たいジュースを販売していました。自動販売機など無かった時代で、珍しかったのか飛ぶように売れました。
ただ、他社の追随により長くは続かなかったです。次に、自販機の営業で得た販路を活用して、鉄道の売店に牛乳を置いたところこれも大ヒット。当時のそれまでの売店は、平台にただ単に新聞等を並べただけの簡素な設備でした。
最初は「売れるわけがない」とメーカーから直接商品をもらえず、販売店から購入したものを並べて売れることを証明しました。
その後も「阪神そば」や「カレーショップミンガス」、たい焼き店「二万翁(にまんおう)」などを展開していきました。
どのお店も周りのお店より一段安い価格設定で売れに売れました。
父は大学時代に新聞販売店の新規開拓の営業でトップセールスだったことで、当時その新聞社の社員にサカイの創業者だった坂井氏の息子さんがいらっしゃった。その息子さんの紹介で父はスカウトされたんです。
よそ者が2代目社長になるわけですから、大変なところもあったようですが、元来のなにくそ根性で会社を引っ張ってきました。
「元祖大阪梅田ミックスジュース」の成り立ちは父がこの会社ですでに手掛けていた牛乳の配送で阪神電鉄さんとお付き合いがあったことで、大阪梅田駅改札口前の場所で「元祖大阪梅田ミックスジュース」を開店することができました。
今ではサカイの主軸商品となっています。
「梅田ジュースコーナー」を梅田に出店したのが11月、寒くなる季節だったので最初は苦戦しましたが、翌年の夏ごろから客数が増え、次第に梅田を代表する行列店へと成長しました。
お客様をお待たせしないよう、スピード提供を心掛けており、夏場は1杯を7秒程度で売ります。
長年使用しているカップのサイズは店舗の周りでさっと飲めるサイズ感が好評で、そのサイズにそろえた穴のあるごみ箱、こちらもぜひご利用ください。
ファンの求める味を55年間守るために、仕入れ先を変更、追加するたびに、味見をしながら微妙にレシピを変更します。原料の味が変わるとジュースの味もまったく違うものになります。また同じメーカーの缶詰でも急に味が変わることがあるので定期的に味見をして調整しています。
最初の場所からほんの少し移動(乗降客の流れの反対側)しただけなのですが、客数は一気に減りました。ファンの多くが店の場所がわからず、閉店したと誤解する方が続出しました。お声がけなどして必死にお客様を引き戻しましたが、日常使いするには利便性が落ち、このままでは客数の減少が免れないと思うに至りました。
それまで広告をしたことがなかったのですが、今年販売促進としてハクション大魔王とコラボレーションしています。
企業とのコラボレーションでうちのミックスジュースを知らない方にも知ってもらい、世代を超えて楽しんでもらいたいという狙いがあります。
旅行者だけでなく近場の人も梅田に行く予定があれば、必ず最後にはミックスジュースを飲んで帰る観光地のルート的な場所にしたいと考えています。
ミックスジュースはいろんなフルーツが入っていて、牛乳のまろやかさと合っていて美味しいです。
しかし、喫茶店などで提供されるミックスジュースは氷が別に入っていてそこまで冷たくないんです。私たちの作るミックスジュースには氷を一緒に砕いて混ぜ込んでいるため、夏場にもスッキリと飲めます。ストローを使わず、キュっと直飲みしてほしいところです。
自分の好きな店がなんとか生き残れるよう、一生懸命バタバタしています。先代はトップダウン型の経営でしたが、私には同じやり方はできません。自分は各店舗の大ファンゆえに視野が狭くなり突っ走ってしまうこともあります。そんな時は、社員や職人さんの意見を取り入れながら経営判断を行っています。
出店しようとして条件の悪さを指摘されて思いとどまったこともあります。スタッフには本当に感謝しています。自分は不器用なので、カッコイイことが言える社長さんが羨ましいですね。