創業63年。第二創業期の変革を推し進める若き経営者の姿とは。

第一ボールト株式会社 / 代表取締役社長 上林 浩二 氏


大阪・九条の地でねじを中心とする締結部品のエキスパートとして歴史を歩む同社の5代目社長として手腕を発揮する上林浩二氏。2017年の創業60周年記念を経て、2018年6月より同社の代表に就任。60周年を節目にさらなる事業成長を目指すため現在、第二創業期として様々な社内改革を推進する。

創業63年。第二創業期の変革を推し進める若き経営者の姿とは。

東京→大阪→ドイツ駐在と外の世界を経験後、ねじの世界へ。



大学進学の際は工学部を受験。その中でも化学を専攻し理系の道に進みました。大学院でも化学の研究をした後、化学系商社に就職。営業職としてスタートし、国内では東京・大阪、海外駐在のチャンスがあり、ドイツで海外営業として3年間勤務しました。

就職から約10年が経過し、色々と経験することはできたが、「このままでいいのか」という漠然とした疑問が浮かび、会社経営をしてみたいという想いもあり、当時勤めていた会社を退職し、第一ボールトへ。就職後、仕入れ先や加工会社から届くボルトやナットの取り付け作業から始まり、営業・経理など、会社の経営に関わるあらゆる仕事を経験・把握し現在に至ります。

生活の身の回りの“1m以内”には必ず「ねじ」がある。


創業63年。第二創業期の変革を推し進める若き経営者の姿とは。

普段、皆さんが気にすることはないと思いますが、実は私たちの暮らしの中のあらゆるモノには、ねじが使われています。机や椅子、パソコンもそうです。大きいものでいくと車や住宅など、世の中の構造物の様々な機能を支え守っているのがねじなのです。この締結部品の流通を商社という立場で手がけているのが私たち・第一ボールト。現在、1000社以上の取引先とのお付き合いを通してビジネスを行なっています。

――― 私たちの価値。それはメーカーと取引先をコーディネートする役割。

今の時代、EC・通販の活用を契機にメーカーと消費者が直接、販売・購入というケースが増えています。商社・問屋の存在がどう問われるのかという話にもなりますが、私たちが参入する業界では、メーカーから仕入れた製品をただ単に取引先に流すというビジネスではありません。

取引先から、ねじ製品に対する要望をお聞きし、各メーカーのボルトやナットなど部品の組み合わせを考え、協力会社の加工会社に加工を依頼し、取引先の要望に応えるオーダーメイドのねじ製品を完成させ納品につなげるという役割です。商品の点数・種類も多く、それぞれの用途に応じたオーダー品を形にするためのコーディネートをしていくことが私たちの付加価値・存在価値として取引先からの信頼と実績につながっています。

創業63年。第二創業期の変革を推し進める若き経営者の姿とは。

業績が安定している。だからこそ、改革が必要だ。


もともと、ねじ業界は普段の生活やビジネスシーンでも欠かせないモノであるが故に、景気の浮き沈みに対して大きな影響を受けにくい業種と言われています。2008年のリーマンショック、そして現在のコロナショックと世界規模の景気低迷が囁かれている情勢でも業績に関しては大きなマイナスなく、堅実に安定した業績を継続することができています。

ただ、この状況に甘んじることは退化と考えています。日本のGDP成長率は世界と比べ低いことや人口減少問題など、この10年間において、産業構造の変化は起きています。事実、ねじ業界でも、この期間において他社を凌ぎ大きな業績を叩き出す会社もあり、一層の企業努力が必要だと感じています。

御用聞き営業から、課題解決型営業へ。


まず、私が代表を務めるようになり、着手したのが「社員の意識改革」。創業以来、「儲かるより、愛されよう。」という取引先・仕入先・加工会社との信頼関係を大切にしながら、誠実な姿勢で仕事をしていくことで少しずつ信頼の輪を広げてきました。そのため、これまでは営業活動においても取引先からの依頼に応える形で仕事を回していける環境でした。

ただし、これからはこういった受け身の姿勢で広く浅くという展開ではなく、取引先個社に対して、深く掘り下げ一歩先を読む営業スタイルとして、取引先が抱える課題やターゲットを想定した製品をこちらから提案する課題解決型への変革が必要。私たちが介在する付加価値をより高める活動を行うため、社員の意識改革は不可欠だと感じていました。


社員の経営参画への意識を高め、仕事へのやりがいを。


また、第二創業期を迎え、会社の次世代を担う社員と共に新たな会社づくりを行っていきたいと考え、ベテラン社員だけでなく、若手社員にも、会社の経営に関わるあらゆる事柄に対して、忌憚のないアイデアや提言を発信できる環境・雰囲気づくりにも力を注いでいます。


創業63年。第二創業期の変革を推し進める若き経営者の姿とは。

現在、営業企画チームリーダーを務める入社14年目の池田さん。入社時から現在まで会社の姿を見てきたご本人からは「2年前に代表が上林社長となり、私自身と年齢が近いこともあったおかげで代表・経営層との距離感もだいぶ近くなったと感じています。また、日頃から社長自身が個々の社員と気軽に話したり、意見を求めたり、新たな役割を与えたりなど、社員の経営に対する参画意識を施してくれている点にも、個人的にはやりがいを感じますし、より責任感が増したという印象です。若手を中心に一緒になって会社を盛りあげて行きたいですね」と語ってくれた。


入社する人材は会社の次世代を担う存在。だから大切に育てる。


昔は、「先輩の背中を見て、仕事を覚えろ」という職人気質な世界観がありましたが、今は違います。当社を選んでくれた社員には、入社からじっくり育てる教育体制を築き、着実に成長を支援する環境を会社が整えることも大切です。当社では、入社1年目から2ヶ月の期間を目処に研修機会を設け、製品や仕事の流れなど一連の仕事の流れを覚えてもらい、自信を持って独り立ちできるようサポートしています。また、研修の振り返り機会や3・5・10年の年代別研修なども今後、取り入れ社員の成長を後押しする環境づくりを行なって行きます。

創業63年。第二創業期の変革を推し進める若き経営者の姿とは。

2022年・新社屋移転を機に第二創業期を本格化。


1979年から41年の歴史を刻む現本社および本社倉庫。再来年となる2022年に新社屋を建設し移転する計画です。2年後、新たな社屋に移り第二創業期を本格的にスタート。会社の様々な環境を徐々に整えながら、社員の持続的な成長と自主性を持った活躍機会を提供するのは会社の責任です。新たな社員を採用する際には、これらの会社の変化を楽しみながら、一緒に良くしていきたいという好奇心・向上心を持った方との出会いに期待しています。

創業63年。第二創業期の変革を推し進める若き経営者の姿とは。

第一ボールト株式会社
本社:〒550-0024 大阪府大阪市西区境川1-1-43(2022年新社屋に移転予定)
オフィシャルサイト:http://www.d-bolt.co.jp/

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