「くっさ!」―― 子どもの一言が生んだ、大阪新鮮野菜の宅配サービス!

株式会社Food Story Japan となりの畑 代表取締役 山口沙弥佳 氏

今朝、畑で採れた新鮮な野菜が、その日の食卓にずらっと並ぶ。
『となりの畑』はそんな日常を当たり前にする野菜の宅配サービスを展開しています。もちろん、ただ野菜を届けるだけではありません。食卓で家族の笑顔を生み出し、体の健康をつくり、季節野菜を通して旬を味わい情緒も養う。こういった野菜を通して得られる体験も、一緒にお届けしています。
今回は株式会社Food Story Japan 代表山口沙弥佳氏に食育にも繋がるビジネスの現状と今後の展望についてお話を伺いました。

「くっさ!」―― 子どもの一言が生んだ、大阪新鮮野菜の宅配サービス!


朝採れた大阪野菜をその日のうちに!


都会に住みながら、新鮮なお野菜を日常的に食べてもらいたい!旬のお野菜を選りすぐって届けたい!目の前の食べ物がどのように育ち、誰が目をかけ手をかけ、どんな時を経て食卓にたどり着いたのか知ってほしい!『となりの畑』から届くダンボール箱には、そんな想いがたくさん詰まっています。

大阪の野菜を大阪の人にお届けするという地産地消にこだわっています。
その日の朝に収穫した野菜は、その日のうちにお届けしていますね。早いお宅で昼過ぎには届きます。
野菜を定期的に宅配する業者はたくさんありますが、鮮度はどこにも負けません!
事前に配送する野菜はわかるので、それを元に詰め合わせ内容を決めて、和食の料理人をやっていたスタッフがレシピを考えて、野菜とレシピを一緒にお届けしています。農家さんともお客様ともLINEでやりとりしながら、関係性を保っています。


「くっさ!」―― 子どもの一言が生んだ、大阪新鮮野菜の宅配サービス!


子どもに本物の美味しさを知って欲しかった


起業を考えるきっかけとなったのは、鰹節で出汁をとっていた時に放たれた『くっさ!何このにおい?』という子どもの言葉だったそうです。あれから数年。本物に触れる機会を増やしてほしい、五感を養ってほしいと野菜の宅配事業を始めた今、お子様にはどのような変化があったのでしょうか。

野菜の宅配事業を始めたことで、子どもたちは野菜に関心を示すようになりました。
「これ、なんばネギ(※)?」って聞きながら食べたり、水ナスの季節は喜んだり。舌も肥えてきたみたいで、同じトマトでも季節によっておいしい時期とそうでない時期があるのがわかるようになって。宅配を利用されているお客様からも、「うちの子は宅配で届いたトマトしか食べない」とか、「野菜嫌いな子が野菜を食べるようになった」とか。「子どもが先に食べちゃって、お母さんが食べるものがなくなったからまた届けてください!」とか。
嬉しい声が届いています。
※難波葱(なんばねぎ):ネギの一種でなにわの伝統野菜。 市場から姿を消していたが、伝統野菜として復活、再評価される。


ご家庭にお届けする野菜と絆を深めるメッセージ


ただLINEでやりとりするのではなく、段ボールにちょっとしたメッセージを書いて、お客様とやりとりをする山口氏。
新鮮なお野菜とともにお届けするこの気配りが、お客様の心をぐっと掴んでいます。

「くっさ!」―― 子どもの一言が生んだ、大阪新鮮野菜の宅配サービス!


お客様からは「野菜の質がいい」「丁寧に梱包されている」「自分では買うことができない野菜が届くのが楽しい」という声を頂いています。あと、スーパーでは自分がわかる野菜しか買わないから、料理をしていても飽きてしまうけど、送られてくるとレシピを参考にし料理のスキルも上がるし楽しいです!」って。
「大根の葉っぱが好きなんです!」という返信があるお客様には、ちょっと多めに入れ、ついでに段ボールに一言メッセージを添えて(笑)。
お客様の好みを事前に聞いているので、お一人おひとりに合わせてお届けする野菜を調整しています。



コロナが生み出した注文のきっかけ


私たちの生活を襲った、コロナによる緊急事態宣言。お客様や事業の変化、ビジネスへの影響はどのようなものだったのでしょうか。

緊急事態宣言の時も、野菜は生活に必要なものなので宅配を続けていたんです。そしたら「自宅に届けてくれてありがたい」「農家から直接届くので安心」「大変な時期なのにありがたい」という声が思いの外、多く寄せられまして。他にも『となりの畑』の存在は知っていたけど、頼む機会がなかったという普段働いている方が、頼むきっかけにもなったようで。少しずつですが、新規顧客につながりました。


「くっさ!」―― 子どもの一言が生んだ、大阪新鮮野菜の宅配サービス!


安心できる人がつくったお野菜をもっと食べてもらいたい!


現在は宅配事業のみですが、2021年春以降は北区大淀中にある店舗をさらに展開していき、対面でのサービスを増やしていく考えがあります。

品揃えは豊富じゃないけど、その分その日のお勧めを販売していきたいですね。例えば白菜を置いて、美味しい厚揚げも用意して、レシピとセットで提案して…というように。この店に来たら、今夜のおかずが決まるよ!というイメージですね。食材単体だと魅力が伝わらないけど、調理法や他の食材も合わせて伝えたら分かりやすいので。
葉っぱが大きい大根とかは、そのまま渡したいのに箱に入らないから宅配のために切り落とす、みたいなこともたくさんあって。美味しさをそのままお届けできるようにしたいです。



地域と料理人と野菜のつながりを生み出す❝シェフマルシェ❞


採れたて野菜をもっと多くの方にお届けするために描いている、❝シェフマルシェ❞という未来図。すでに海外のお洒落なキッチンカーを購入し、着々と準備は進んでいます。

「くっさ!」―― 子どもの一言が生んだ、大阪新鮮野菜の宅配サービス!


今後は、キッチンカーを定期的に郊外に出したいです。キッチンカーに立つのはシェフで、野菜を販売したり、シェフが使っているオリーブオイルや醤油を販売したり、野菜たっぷりスープを販売したり、野菜の調理方法を伝えたりできれば。
野菜たっぷりスープは、鍋を持参してもらっておたまで「○杯いくらです!」というように販売して…。❝シェフマルシェ❞ですね。

コロナでダメージを受けている料理人ってたくさんいます。その料理人たちは美味しい料理を作って食べてもらうことも大切ですが、料理の仕方を伝えることも力を発揮するひとつの方法だと思うんです。キッチンカーで地域に溶け込んで販売を続けて、ファンをつくって、その地で店を構えて…。
循環ですね。コロナで苦戦している料理人を、今後は仲間に入れていきたいです。


「くっさ!」―― 子どもの一言が生んだ、大阪新鮮野菜の宅配サービス!


私たちの体を作る食材の作り手が、いつもそばにいてくれる。そんな素敵な未来が描ける、素敵なお話を伺うことができました。
現在❝シェフマルシェ❞を展開する場所は開拓中だそうです。
私の街にも来て欲しい!という方は、ぜひ問い合わせてみてください。


株式会社FoodStoryJapan
本社:〒531-0076 大阪府大阪市北区大淀中3丁目8-12
オフィシャルサイト:https://tonarino-hatake.com

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