2021年09月03日 09:30
おもちゃを中心に景品になるものを手当たり次第に企画開発していたのですが「〇〇屋」と言える存在にならないといけないという考えを持っていたので、家電に集中することにしました。家電は家電でも、大手企業とは求められるものが違うと思っています。いろいろな人に買ってもらおうと思うと、様々な機能が必要になります。スペックが複雑になると、大手には勝てないし安くなりません。「一点突破」の商品ならマーケティングコストが抑えられますし、何よりインパクトが強いと考えました。
そもそも、カップ焼きそばは、お湯を入れるだけなのになぜ焼きそばなのかという疑問を抱いており、焼いて食べるホットプレートがあればと考えました。メーカーのまるか食品さんとは取引があり、社長も二つ返事でOKを出してくれました。ペヤングは関東が本場とはいえ、好きな人はめちゃくちゃ好きなので、こっちの方が刺さるだろうと。とにかくまずはライソンという社名を覚えてもらわなくてはならないという思いも強かったですから。まるか食品株式会社ホームページ
でも、何でも焼けるホットプレートではないんです。通常の温度だとべちゃっとしておいしくないため、水分が蒸発するスピードも考慮して設定温度を高くしました。この商品、温度調節はできません。価格を3,000円までに抑えたかったんです。やっぱり関東の方でよく売れていますが、とがった商品名のおかげで、発売4カ月で2万台売れました。
昔、パーティー家電というジャンルがありました。弊社の商品の中でも「回転寿司トレイン」や「元祖 本格流しそうめん」「わたあめ屋さん」などはその流れに入ると思います。子どもの遊びの延長のようなものですね。とにかく楽しい時間を過ごしてほしいという思いで商品化しています。
そもそも、第二営業部時代から、売れるもの、売りやすいものを考える癖がついていました。景品だと寿命が3カ月くらいと短いですから、新しいものをどんどん生み出していかなければならない。常に考え続けていなければアイデアは欠乏するものなんです。でも、最後は根性です。なぜ失敗したかをよく考え、壁にぶち当たれば専門家に聞いたり図書館で調べたりして改善していきます。ゴーを出してから安全性やマーケティングの壁に阻まれておじゃんになる商品も多く、採用されるのは1割程度です。
クラウドファンディングで資金を募ると、その時点で需要が分かりますし、説明するよりも早く、営業しなくてもお客様の中に商品が浸透していきます。これまでに「焼きペヤングメーカー」「超蜜やきいもトースター」のほか「ジャンボわたあめ屋さん」「コーヒー焙煎機『ホームロースターRT-01』」「秒速トースター」、アウトドア用品の「カーサイドタープ『カラップ』」「インペリアルクーラーボックス」「巨大テントウ虫型テント『テンテン』」の8品目でクラウドファンディングを活用しました。どれも話題になりましたし、好調な売れ行きを見せています。
クレームに対しては改良に生かしていくのはもちろんですが、新製品のきっかけになる声も寄せられています。このあいだも「シューマイをおいしく食べられるものがほしい」というご意見がありました。何とか製品化できないかと考えています。
5年以内に米国か中国の商品展示会に出たいと思っています。米国にはジャンボアメリカンドッグメーカーなんかを携えて。また、関西にはユニークな企業も多いので、そんな会社さんと一緒に面白いことをできたらなと期待を膨らませています。ただ、家電からはぶれないようにと心がけており、インターネットにつながる家電も開発していきたいと考えています。小回りが利き、私の目が届くよう、社員を大きく増やすつもりはありませんが、今後のチャレンジのため、設計や技術分野で若い人を入れていこうと思っています。