2024年09月06日 09:30
独立は以前から考えていまして、そのころから焼き肉業態に注目していました。2020年にコロナ禍が起こって物件が空いてきたものですから、そこでなにかできるのではと思って創業しました。私は今も別で役員を務めている会社があるのですが、そこは大箱の宴会場を持っている業態等もあり、コロナの影響を受けて売り上げが下がっていました。なにか新業態を作らないといけないことも相まって、私が役員を務めている会社でも1店舗作りつつ、私自身、個人事業での創業としてお店を作ったのが始まりです
お寿司であったり和食であったり、私が今までやってきた仕事は調理職人さんがいないと成立しない業態で、魚をさばいたりなど、仕込みから大変なんです。そしてお店が開店すると、オーダーを受けてから商品を作ります。そういったオペレーション面で、重いところがありました。焼き肉に興味があったのは、最終の調理をお客様にやっていただけるところ。これは非常に、強みではないかと思っていました
焼肉店の客単価は、最低でも4,000円以上はするかなと思うんです。焼肉を食べて飲んでとなると、食べ放題の店に行くと高いコースを頼めば5,000円を越えてくる。そんな中「まるよし」は、客単価3,000円で食べて飲める業態を作ろうというのが元々のスタートでした。このマーケットニーズは、かなりあるんじゃないかなと思っていたんです。最終調理をお客様にやっていただけるうえに、当時はコロナ禍だったこともあるのですが、モバイルオーダーを導入して少ない人数でお店を回せるようにオペレーションを軽くしました
出来るだけお安く提供させていただく。それはもちろん、価値だと思います。ですがどうしてもお肉の原価がありますから、安価なものばかり追求していくと美味しくないよねとなります。私たちのスタンスは、美味しいものを他社さんよりもお値打ちでご提供させていただくこと。そのために、お肉の選定をしっかりします。ただ当初はたとえば399円といった、まず安価にこだわったものを優先に仕入れ、売っていました。ですが『安いけど、肉はもうひとつやった』などといったお客様の声もございました
私どもは『美味しい、楽しい、幸せな時間を提供します』という経営理念を掲げております。ですのである程度のお値段いただくところもありますが、その代わりに、ちゃんと美味しいものを提供し、お客様に満足してもらう、というスタンスでいます
人材面もそうですし、物流面もそう。最初からドミナントエリア(※2)で展開していこうと考えていました。現在うちの店舗網はライセンス店舗の古川橋店は少し離れていますが、それ以外は直径5km圏内にすべてが入ります。各店舗間の距離が近いことで社員さんやアルバイトの方が他店舗への応援に行きやすいですし、物流も効率化が図れる。今後はもちろん、5kmの円を広げていく考えもあります。その一方で、この5km圏内にもまだまだ商圏はあると思っています
私は今もいろんな会社で役員をやっていますが、正直個人となると融資はなかなか難しい。なんとか公庫さんや信用金庫さんの融資を受けることができましたが、資金面は正直いろいろと苦労をしました。会社で申し込むとリースは組めて当たり前だと思っていましたが、コロナ禍ということもあったかもしれませんが、それも一切使えず、すべてをキャッシュで賄わないといけなかった。そういったところで、最初は非常に苦しいことがありましたね
そうですね。特徴的なのは都島店。大阪メトロの都島駅を出てすぐの便利な場所にあるビルを、1棟丸ごと貸りています。そこは以前、有名な居酒屋チェーンが20年近くにわたって店舗を構えていましたが、コロナ禍で閉店されました。当時千林大宮店に行く際に前をよく通っていて、かねてから『いい物件だな。でも賃料は高くて手が出ないな』と思っていたんです
平時だったら有名チェーンが駅前でやっていた物件を、まだ1店舗しかやっていない私個人が借りることはできないと思います。ですがコロナ禍ということで、その物件は1年近く空いてたんですよ。そういった時機もあって貸していただくことができ、大きなチャンスをつかめました
各店舗の運営は、超地域密着でやらせていただいております。今の僕たちはまだまだ中小零細で、そんなに大きな力はありません。それでも地域でお祭りがあった際には、協賛させていただいたりしています。あとこれは私どものことをご認知いただく狙いありますが、都島区民センターがネーミングライツ(※3)を募集されてましたので、手を上げて『まるよし精肉店 都島区民センター』とさせていただきました
しっかりと収益を上げて、もちろん、税金を納めさせていただいたいたり、地域に寄付させていただいたりといったことをやっていきたいですし、まだ全然できていませんが、地域に還元して、地元に喜んでもらえるお店を作っていきたいと考えています
当面の目標は、年商10億円を達成すること。そのためには、さらに店舗数を増やさなければいけないと自覚しています。10億円の売り上げを作るには、一店舗あたりの売り上げが2~3億円なら3店舗ほどで実現するかもしれません。ですが僕たちのように20坪ちょっとでやっているお店だと、1店舗あたりの年商は5,000~6,000万円くらいが平均になってきます。それを10億円までということは、ある程度の店舗数が必要なんですね。イメージでは、16~18店舗くらい。そうなるとしっかりとした組織化が必要ですし、そうならないとできません。そこに挑戦して、実現していく過程で、私自身も成長できると思っていますし、仲間の成長にも繋がると思っています。また頑張って頂いている仲間の待遇をよりよくしていくことができると思っています
それが従業員の成長を促すことにもなっていくでしょうし、待遇をあげていく事もできます。より組織としての強みがより出てくると思うんですよね。今は年商10億円を目指し、まずはそこ到達することを目標に置いて展開します
あまり先のことを言うのは好きじゃないというか、性に合っていない気がするんです。3年くらいの短中期で頑張ったら手が届くくらいのことを達成して、初めて次だと思っているので。今は大体8割近くくらいまで来ましたから、もう少しすれば次の3年の目標というのをまた作っていきます。ひとつひとつ手の届くところをしっかり固めて、目標を達成する。そして次のステップに進むことが大事なんじゃないかなと思っています