助産師が様々なライフステージに寄り添い、より良い社会になることを目指します。

株式会社 With Midwife 代表取締役 岸畑聖月 氏

助産師と聞くと、おそらく多くの方が「病院の中で出産をサポートする人」とイメージすることでしょう。しかし、実際は看護師の知識に加え、産前産後ケア、更年期や婦人科疾患、さらには性教育の知識をも兼備。女性はもちろん、あらゆる人たちに寄り添える仕事なのです。そんな助産師のスキルを社会にもっと役立てたいと、岸畑聖月(みずき)氏は2019年11月に株式会社 With Midwifeを立ち上げました。岸畑氏が思い描く、助産師が創り上げる未来の社会とは。

助産師が様々なライフステージに寄り添い、より良い社会になることを目指します。


社会貢献度の高い仕事でありながら助産師の雇用先が少ないという現状


「midwife(助産師)」の語源は、「mid」=古典英語で「with」(共にいる、寄り添う)、「wife」=女性。つまり寄り添う女性のことです。
日本では女性のみが就ける職業で、看護師免許と助産師免許が必須。半数が保健師資格も有する非常に専門性の高い仕事です。にもかかわらず、妊婦さんとその家族以外が助産師と出会うことはほとんどありません。言い換えれば、そのスキルを存分に発揮できる場が少ないのが現状なのです。自身も助産師として病院に勤務している岸畑氏がWith Midwifeを設立したのは、助産師がもっと社会貢献できる機会を増やしたいと思ったからでした。

助産師が様々なライフステージに寄り添い、より良い社会になることを目指します。


現在日本には約70,000人の助産師がいて、毎年約2,000人の助産師が誕生していますが、勤務先はほぼ病院や診療所しかありません。しかも、過酷な労働環境やいのちに関わるストレスにより現場を離れてしまう人もいます。助産師自身の妊娠・出産・子育てと、病院での勤務を両立できず、免許を持っているけれど、働いていない潜在助産師は約35,000人に及ぶと考えられます。これは社会の大きな損失です。助産師のスキルを病院以外でも発揮できる場所を創造したい。そこで、助産師と助産師を必要とする人を繋ぐシステム、さらには助産師同士がコミュニケーションをとれるようなネットワークを作り、最終的にはビジネスとして成り立っていけるような環境づくりをしたいと考えました。

 
それが、日本初の全国の助産師を分かりやすく可視化したプラットフォームサービス
『Meets the Midwife』
です。


“Midwife”に出会える日本初の助産師検索システム


『Meets the Midwife』は、その名称の通り利用者に合った“最適な”助産師に出会える検索システムです。妊娠・出産・育児はもちろん、性教育・夫婦関係・更年期など、様々な女性のライフステージにまつわる不安や悩み、家族の問題などをいつでもどこでも相談することができます。
利用者は、サイトで助産師のプロフィールなどを確認。連絡したい助産師が見つかったら問い合わせフォームから困っていること、サポートしてほしいことを連絡します。適切なアドバイスが受けられるほか、無料会員に登録すれば助産師から役立つ情報をメールで受け取ることもできます。

一方、助産師は簡単なテンプレート入力でこちらのプラットフォームに登録できます。
「プロフィールページ」はもちろん、子育て相談や睡眠改善相談といった自身の得意分野をアピールできる「サービス紹介ページ」もあります。また、助産師としてスキルアップができる研修や、経営のノウハウも学べる学びの場にも参加することができます。

助産師が様々なライフステージに寄り添い、より良い社会になることを目指します。


現在国内外合わせて300人ほどの助産師が登録しています。
会社を立ち上げて2ヵ月後くらいにコロナ禍で自粛の波がやって来て、対面サービスがすべて中止になったので、このプラットフォームのシステム開発に力を注ぐことができました。


今なお、コロナ禍の影響は続いています。外出もままならず、悩みや困りごとを一人で抱え込んでいるすべての人達にとって、このサービスは心強い存在になっていることでしょう。


社員の士気を上げ企業価値を高める「顧問助産師」というサービス


With Midwifeのもう一つの柱が「顧問助産師」という企業向けサービスです。
これは、すべての社員が会社で健やかに働けるよう、健康や女性特有の身体の悩み、家族が抱える妊娠・出産・育児の悩みなどの相談を受けるものです。
基本サービスは三つ。一つ目は、オンラインでの24時間365日相談受付。匿名なので対面では相談しづらい案件も相談しやすくなります。
二つ目は、会社訪問。直接助産師に相談できる社内保健室や座談会などを開催します。
三つ目は、セミナーの企画・開催。各種ハラスメント対策や健康管理、育児などをテーマに開催します。
さらに、商品開発・マーケティング協力、急な子どもとの同伴出勤サポートなど、それぞれの会社に合わせたサービスの提案も行います(以上は別途料金)。

助産師が様々なライフステージに寄り添い、より良い社会になることを目指します。


従業員の健康保持・増進に取り組むことは組織が活性化し、結果的に業績向上や組織としての価値の向上に繋がると、経済産業省も『健康経営』への投資を推奨しています。何より、従業員が精神的に支えられているという安心感を持つことで、仕事に他する内省的動機、つまり愛社精神が醸成されるのではないでしょうか。


頭痛がひどい、不妊治療を開始したいが何から始めればいいかなど、相談内容は様々。約2割が男性からのもので、奥様の更年期障害の悩みや娘さんへの接し方、更には自身の頭髪のことなどもあります。
また顧問助産師は1社ごとに担当がつきますが、顧問助産師たちは8人のチーム制になっており、各自のスキルの左右されない支援体制を整えています。これは多種多様な課題に最良な取り組みを提案するためです。


目指すは昔の産婆さんのような存在。助産師が日常になる社会へ


弊社が企業のハブになり、それぞれのニーズに合った助産師に繋げていく。それにより会社はよくなり、助産師のビジネスも成り立つ。それが理想の形です。


With Midwifeの助産師コミュニティーを20,000人に拡大、顧問助産師の契約を全国500企業に、 これが会社の当面の目標です。しかし、岸畑氏が最も目指すところは、「助産師が昔の産婆さんのような存在になること」と言います。
日本では戦前までは助産師が産婆と呼ばれ、産前産後のケアだけでなく、子育て・性教育・更年期のケア・婦人科疾患の知識まで持ち、地域をサポートする頼れる存在でした。しかし、戦後は出産の場が病院や診療所に移行し、助産師も施設で働くようになりました。地域のサポーターは姿を消し、それに伴って虐待や育児放棄・DVなどの新たな問題が生じているとも考えられます。

新しいことをするより、助産師の役割を戦前の身近な産婆さんに戻していきたい。そして現代だからこそ、ITを駆使して情報を広げていければ世界の裏側の女性も救えるかもしれない。私たちが、助産師が、いのちの課題の最後の砦だと思っています。


助産師が様々なライフステージに寄り添い、より良い社会になることを目指します。



株式会社 With Midwife
本社:〒530-0001 大阪府大阪市北区梅田1丁目11番4号 大阪駅前第4ビル9階923
オフィシャルサイト:https://withmidwife.jp/



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