アツい ホスピタリティマインドをもって 独創性溢れる商品開発に挑戦し続けます

リボン食品株式会社 / 代表取締役社長 筏 由加子 氏

筏 由加子氏は、1907(明治40)年から続く『リボン食品』の4代目社長です。主な事業内容は、マーガリンやパイ冷凍生地及びパイ関係食品製造販売。ほとんどが「B to B」の商品なので、同社名を知っている一般の方はそう多くはないはず。しかし、「リボン食品の商品を食べたことがない人はいないと思います」と筏氏が言い切るほど様々な食品に使用さています。“縁の下の力持ち”的な存在である同社が目指すこれからとは。会社愛、社員愛に溢れる筏氏に大阪市淀川区の本社でお話を伺いました。
アツい ホスピタリティマインドをもって 独創性溢れる商品開発に挑戦し続けます

マーガリンに冷凍パイ生地…。
日本の食文化を変えた多数の“日本初”


『リボン食品』の社名は一般にはさほど知られていなくても、その歴史には輝かしい功績が刻まれています。1907年日本初のマーガリン製造・販売開始、1936年KINGバター、1965年日本初のコンパウンドマーガリン(植物性油脂と動物性油脂の両方を配合したマーガリン)発売、1970年日本初の冷凍パイ生地「パイメーク」発売、1979年日本初の冷凍デザートケーキ発売、2002年日本初の有機JASマーガリン製造工場認定。ほかに低糖質食品を開発・販売する「低糖工房」、NYの人気ブラウニー専門店「ファット・ウィッチ・ベーカリー」とライセンス契約して日本での販売を実現するなど、“日本初”以外も含めると、同社が日本の食文化に与えた影響は多大であると言っていいでしょう。
アツい ホスピタリティマインドをもって 独創性溢れる商品開発に挑戦し続けます
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「先人たちが築き上げてきた伝統を守りながらもユニークで新しいことにどんどん挑戦していく。これが企業として大切にしていることです。『こんなことをやってみたい』と手を挙げれば、『やってみよう』と言える、そんな社風だと思っています」

その言葉通り、今や根強いファンがいる「低糖工房」は一人の役員が手を挙げたことから2009年に販売が始まりました。また、「ファット・ウィッチ・ベーカリー・ジャパン」に関しては筏氏自身が専務時代の2015年に立ち上げた事業です。
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夢だったホテルウーマンからの転身。
家業の素晴らしさを再認識し4代目へ


温かな笑みを交えながら、小気味よくインタビューに答える筏氏。実は会社を継ぐ気はなかったと言います。というのも、筏氏は二人姉妹の二女で、姉が4代目になるだろうと漠然と思っていたから。ただ、子どもの頃から父であり現会長の純一氏から仕事の話を聞かされていたり、社員が自宅に食事に来たりしていたので、会社はずっと身近で大切な存在でした。小学2年生の時の家族会議が忘れられないと言います。
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「新工場の建設をする時でした。父から『お父さんはこれからの仕事でもしかすると失敗するかもしれない。その時はまず社員たちを守らないといけないから、自分たち家族は食べていけなくなるかもしれない。覚悟しておいてくれ』と言われました」

この時から守るべきは社員であり会社であると心に刻まれたのかもしれません。
筏氏が学生時代に目指したのはホテルウーマンでした。日本の大学卒業後に渡米し、大学のホテルレストランツアリズムマネジメント学科へ。卒業後はアメリカのホテルに就職します。しかし充実した日々を送る一方で、家業の魅力と偉大さを改めて実感するように。そして「これからは歴史のある会社が魅了する時代」と帰国を決意し、2005年に『リボン食品』に入社するのです。
 
「父は会社を継いでくれとは一言も言いませんでした。私が継がせてほしいと言った時も分かったとだけ。でもその後、仏壇に向かう時に鼻歌を歌っていて、いつもそんなことはしない父だったので、内心は喜んでくれていたのかなと(笑)」

筏氏は2012年取締役開発部長、13年常務取締役、14年専務取締役と実績を重ね、18年に4代目代表取締役社長に就任しました。

目立たない黒子から目立つ黒子へ。
知名度を上げて、社員のやる気もアップ!


筏氏は方針として以下の三つを掲げます。一つ目は、「150年、200年続く会社にする」。二つ目は、尊敬する父がそうであったように「時流とマッチさせながら顧客のかゆい所に手が届くユニークな商品を世に送り出していく」。そして三つ目が、「ここは父とは違うところなのですが」と筏氏が言う「目立たない黒子から目立つ黒子へ」
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「リボン食品はあくまでも原料を作る会社だから、表に出るものではないというのが父の考え。でも、以前母が言っていた『これはリボン食品が作ったんだと分かる商品があればいいのにね』という言葉が心に残っていたんです。社名がもっと知られるようになれば、社員がより会社に誇りが持てたり、励みにもなったり、社員の家族にも喜んでもらえるのかなと」

そう考えた筏氏は、父とは対照的にマスコミに積極的に登場し、自ら広告塔を買って出るようになります。実は、先に触れた「ファット・ウィッチ・ベーカリー・ジャパン」事業にもその意図があったのです。
「弊社の商品を材料にしたお菓子やパンはたくさんありますが、『リボン食品』の名前が表に出ているのはファット・ウィッチ・ベーカリー・ジャパンのブラウニーだけなんです。また、裏方だった弊社がリアルショップを出すことによってお客様の反応を肌で感じることができ、それをまた新たな商品開発に活かすこともできると思っています。
これからはアジア展開も視野に入れて準備を行っています」


新社屋の随所に見える社員愛。
事業は人なりが実感できる企業



筏氏を語るうえで外せないのは、アツ過ぎるほどの社員愛です。「ファット・ウィッチ・ベーカリー・ジャパン」事業しかり、そして社長就任と同時に手掛けた新社屋の建設しかり。新社屋建設にあたっては、「リボン食品はメーカーだから工場を建て直すべきではないか」と言う純一氏に対し、「そうはいっても機械を動かす社員の環境を考える方が大事」と一歩も譲らなかったそう。
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「前の社屋は50年使っていて、あちこちの建物に部署が散らばっていたんです。まず約100名の正社員を1ヵ所に集めたいという想いがありました。新社屋になってからは、北海道と東京の社員も参加して全員で朝礼をするようにしています」

1階には図書室や試作品作りもできるキッチンを設け、部署の垣根を越えた交流が可能に。また3階には筏氏自身が試食して給食業者を厳選した社員食堂もあります。さらに、毎年社員の誕生日には一人ひとりにメッセージカードを贈っているのだとか。
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「『社員愛が強過ぎるから、それを分散させるために趣味とか好きな人とかつくった方がいいんじゃないの?』と友人に言われてお付き合いした人が、今の主人です(笑)」。また、「誰にも言ってないのに、私の誕生日には社員からおめでとうのメールや手紙がたくさん来て。泣きました(笑)」とも。

「事業は人なり」とは、経営の神様と言われた松下幸之助氏が経営の心得として提唱した言葉です。お客様のみならず、社員に対するホスピタリティにも溢れる筏氏のお話を伺っていると、社員の皆さんが羨ましく思えました。「これからどう成長していくかが楽しみと思ってもらえる会社でありたい」と言う筏氏の想いは、社員の皆さんがしっかり受け止め、実現されていくことでしょう。

リボン食品株式会社
本社:〒532-0035 大阪市淀川区三津屋南3-15-28
オフィシャルサイト:https://www.ribbonf.co.jp/


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