「一点突破」の発想が生み出すユニーク家電で話題独占
ライソン株式会社 / 代表取締役社長 山 俊介 氏
「焼きペヤングメーカー」や「超蜜やきいもトースター」といったユニーク家電で知名度を急上昇させているライソン株式会社(東大阪市御厨南)。関西のほぼすべての情報番組が取材に来る人気ぶりだ。特化した機能やネーミングに思わず笑いが浮かぶ製品のコンセプトは、他社にはできない付加価値を加えた「一点突破」。日常に非日常を演出する数々の商品を生み出す根底には、楽しさを提供したいという強い思いがある。「100人に1人が買ってくれればいい」と話す山俊介氏に戦略と展望を聞いた。
ライソンは元々、ゲームセンターのクレーンゲームなどの景品を扱う株式会社ピーナッツ・クラブの第二営業部として商品企画やデザイン部門を受け持っていた。2018年にピーナッツ・クラブから分社化したのを機に、おもちゃをやめて、家電に特化した自社ブランド製品の企画開発に乗り出した。
株式会社ピーナッツ・クラブホームページ
アウトドア用品にも手を広げ、扱う商品は約120アイテム。最初に作ったのが「焼きペヤングメーカー」だった。カップ入りのインスタント焼きそばといえば、関西では日清食品の「U.F.O」が圧倒的に知られているが、なぜ「ペヤング」だったのか。
ライソンの商品に共通しているのは、遊び心。「日常に、非日常を。」をミッションに掲げ、そのために「笑顔」「驚き」「面白さ」を届けることがライソンの使命と定め、商品開発のポリシーを「すべては楽しさのために」と位置付けている。1台でおでんに焼き鳥、熱燗が楽しめる「せんべろメーカー」などもその使命にぴったりだ。それにしても、なぜ次々とユニーク家電が誕生するのだろうか。
ライソンは、自社工場を持たないファブレス企業。製造は中国の企業を探してきて任せる。「一点突破」の考えとともにこの手法もコストダウンを実現するポイントだが、商品によってはクラウドファンディングを活用する。試作段階でテストマーケティングをし資金を広く募り、その反響により商品化に繋げている。
コロナ禍で家中需要が急増していることも、図らずも追い風になっている。知名度がアップすることと相まって、お客様からの反響も増えているという。
社名の「ライソン」は「ライフ」と「マラソン」を組み合わせた造語。つまり、生活の中でより快適に、より長く使っていただける製品を開発していくという思いを込めた。今までになかった商品ジャンルを生み出すという決意に揺るぎはない。
ライソン株式会社
「焼きペヤングメーカー」や「超蜜やきいもトースター」といったユニーク家電で知名度を急上昇させているライソン株式会社(東大阪市御厨南)。関西のほぼすべての情報番組が取材に来る人気ぶりだ。特化した機能やネーミングに思わず笑いが浮かぶ製品のコンセプトは、他社にはできない付加価値を加えた「一点突破」。日常に非日常を演出する数々の商品を生み出す根底には、楽しさを提供したいという強い思いがある。「100人に1人が買ってくれればいい」と話す山俊介氏に戦略と展望を聞いた。
ゲームセンターの景品開発から、インパクトの強い家電に転換
ライソンは元々、ゲームセンターのクレーンゲームなどの景品を扱う株式会社ピーナッツ・クラブの第二営業部として商品企画やデザイン部門を受け持っていた。2018年にピーナッツ・クラブから分社化したのを機に、おもちゃをやめて、家電に特化した自社ブランド製品の企画開発に乗り出した。
株式会社ピーナッツ・クラブホームページ
おもちゃを中心に景品になるものを手当たり次第に企画開発していたのですが「〇〇屋」と言える存在にならないといけないという考えを持っていたので、家電に集中することにしました。家電は家電でも、大手企業とは求められるものが違うと思っています。いろいろな人に買ってもらおうと思うと、様々な機能が必要になります。スペックが複雑になると、大手には勝てないし安くなりません。「一点突破」の商品ならマーケティングコストが抑えられますし、何よりインパクトが強いと考えました。
意表を突く「ペヤング」専用ホットプレートがバカ売れ
アウトドア用品にも手を広げ、扱う商品は約120アイテム。最初に作ったのが「焼きペヤングメーカー」だった。カップ入りのインスタント焼きそばといえば、関西では日清食品の「U.F.O」が圧倒的に知られているが、なぜ「ペヤング」だったのか。
そもそも、カップ焼きそばは、お湯を入れるだけなのになぜ焼きそばなのかという疑問を抱いており、焼いて食べるホットプレートがあればと考えました。メーカーのまるか食品さんとは取引があり、社長も二つ返事でOKを出してくれました。ペヤングは関東が本場とはいえ、好きな人はめちゃくちゃ好きなので、こっちの方が刺さるだろうと。とにかくまずはライソンという社名を覚えてもらわなくてはならないという思いも強かったですから。まるか食品株式会社ホームページ
でも、何でも焼けるホットプレートではないんです。通常の温度だとべちゃっとしておいしくないため、水分が蒸発するスピードも考慮して設定温度を高くしました。この商品、温度調節はできません。価格を3,000円までに抑えたかったんです。やっぱり関東の方でよく売れていますが、とがった商品名のおかげで、発売4カ月で2万台売れました。
遊び心が「非日常」の商品を生み出す原点。でも、日の目を見るのは1割程度
ライソンの商品に共通しているのは、遊び心。「日常に、非日常を。」をミッションに掲げ、そのために「笑顔」「驚き」「面白さ」を届けることがライソンの使命と定め、商品開発のポリシーを「すべては楽しさのために」と位置付けている。1台でおでんに焼き鳥、熱燗が楽しめる「せんべろメーカー」などもその使命にぴったりだ。それにしても、なぜ次々とユニーク家電が誕生するのだろうか。
昔、パーティー家電というジャンルがありました。弊社の商品の中でも「回転寿司トレイン」や「元祖 本格流しそうめん」「わたあめ屋さん」などはその流れに入ると思います。子どもの遊びの延長のようなものですね。とにかく楽しい時間を過ごしてほしいという思いで商品化しています。
そもそも、第二営業部時代から、売れるもの、売りやすいものを考える癖がついていました。景品だと寿命が3カ月くらいと短いですから、新しいものをどんどん生み出していかなければならない。常に考え続けていなければアイデアは欠乏するものなんです。でも、最後は根性です。なぜ失敗したかをよく考え、壁にぶち当たれば専門家に聞いたり図書館で調べたりして改善していきます。ゴーを出してから安全性やマーケティングの壁に阻まれておじゃんになる商品も多く、採用されるのは1割程度です。
クラウドファンディングで需要見極め。話題作りにも一役
ライソンは、自社工場を持たないファブレス企業。製造は中国の企業を探してきて任せる。「一点突破」の考えとともにこの手法もコストダウンを実現するポイントだが、商品によってはクラウドファンディングを活用する。試作段階でテストマーケティングをし資金を広く募り、その反響により商品化に繋げている。
クラウドファンディングで資金を募ると、その時点で需要が分かりますし、説明するよりも早く、営業しなくてもお客様の中に商品が浸透していきます。これまでに「焼きペヤングメーカー」「超蜜やきいもトースター」のほか「ジャンボわたあめ屋さん」「コーヒー焙煎機『ホームロースターRT-01』」「秒速トースター」、アウトドア用品の「カーサイドタープ『カラップ』」「インペリアルクーラーボックス」「巨大テントウ虫型テント『テンテン』」の8品目でクラウドファンディングを活用しました。どれも話題になりましたし、好調な売れ行きを見せています。
コロナ禍で家中需要が急増していることも、図らずも追い風になっている。知名度がアップすることと相まって、お客様からの反響も増えているという。
クレームに対しては改良に生かしていくのはもちろんですが、新製品のきっかけになる声も寄せられています。このあいだも「シューマイをおいしく食べられるものがほしい」というご意見がありました。何とか製品化できないかと考えています。
米中進出を視野に、関西企業とのコラボにも期待
社名の「ライソン」は「ライフ」と「マラソン」を組み合わせた造語。つまり、生活の中でより快適に、より長く使っていただける製品を開発していくという思いを込めた。今までになかった商品ジャンルを生み出すという決意に揺るぎはない。
5年以内に米国か中国の商品展示会に出たいと思っています。米国にはジャンボアメリカンドッグメーカーなんかを携えて。また、関西にはユニークな企業も多いので、そんな会社さんと一緒に面白いことをできたらなと期待を膨らませています。ただ、家電からはぶれないようにと心がけており、インターネットにつながる家電も開発していきたいと考えています。小回りが利き、私の目が届くよう、社員を大きく増やすつもりはありませんが、今後のチャレンジのため、設計や技術分野で若い人を入れていこうと思っています。
ライソン株式会社
本社:〒577-0034 大阪府東大阪市御厨南 2-1-33
オフィシャルサイト:https://www.lithon.co.jp/
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