2022年02月25日 09:30
2012年がちょうど創業50周年だったのですが、それを迎えるにあたって心機一転、何か新しいものをとの母の提案を受け、社員全員で考えて生まれたのが「QUON」です。「10年後を想像しよう」をテーマに話し合って出てきた「高い品質(QUALITY)」「世界規模の視点(UNIVERSAL)」「オンリーワンの商品開発(ONLY ONE)」というコンセプトの頭文字をとったのが「QUON」。お客様の要望に応え、お客様とともに他メーカーとは違う世界に通用する商品を作りたいという思いを込めています。
本社オフィスと一体となっている工場には、加工能力がそれぞれ異なる4台のプレス機や溶接 ロボットをはじめとした各種溶接機。パイプベンダー※①や電動ミシンなどさまざまな機器がそろっているうえ、創業時から蓄積してきた職人の技術もあります。このため「QUON」のマインドを体現した量産品だけでなく、お客様の個々のニーズやこだわり、専属デザイナーが生み出す新しいアイデアもすぐに形にできます。また、イスの座面の張り職人は「なにわの名工」※②にも認定いただいています。こうした一貫生産体制のおかげで、オリジナリティにあふれ、安全性や耐久性はもとより感性やデザイン性の高い製品をリーズナブルな価格で提供することが可能になっています。理想の一脚を追い求める「QUON」の真骨頂は、「無いモノは創り出す」という姿勢。ですので自社工場はこれからも持ち続けていきます。※① パイプベンダー:パイプベンダー(Pipe Bending Machine)とは、対象材を管(パイプ)専用とし常温で扁平することなく曲げる為の工具又は機械のこと。
小さいころから跡取りとして育てられ、夜中まで無理やり勉強させられて勉強嫌いになりました。そのため友達とも話が合わずに孤立。将来が決まっているのなら、別に(努力しなくても)という気になって完全無気力状態でした。バンド活動をしていて「これで飯を食う」などと考えたこともありましたね。同級生らが大学を出て就職する時期に合わせて会社に入ったものの、やる気はないまま。社員から待遇や仕事のやり方などについて不平不満をぶつけられると、自分も同じように愚痴をこぼしていました。
ただ、子どものころからモノ作りだけは好きで楽しかったんです。入社して3~4年後に新商品企画の部署に変わったところ、外部デザイナーから言われたことが全然できなくて悔しい思いをしました。でも逆にそれで絵に描かれたものをカタチにすることにはまっていきました。さらに、営業に移ってお客様からラインナップにない特注注文を受けるようになると、何とかその要望に応えたいと考え、他社のサンプルをバラバラにし研究もしました。こうしたことを通じモノづくり目線がより深化していったような気がします。
業務用家具は、カタログ販売が8割を占めます。どの会社もカタログを作りますから、まずそれを手に取ってもらうことが勝負。ですので特にカタログの見せ方に力を入れました。ロケ写真をふんだんに使い、たとえばベルリン駅とイスを合成したり、古代ローマの温泉技師が主人公の漫画「テルマエロマエ」を参考に温泉にイスを入れたりした写真を大きく掲載するとか。そういう点でも、海外の展示会は大いに参考になります。特にイタリアは刺激が大きいですね。フィレンツェにある※③アルキリボルトデザインというデザイン会社を知ったのも展示会の視察を続けたおかげです。同社は手がけるデザインすべてに〝美しさ〟を追求する姿勢を崩さず、その創造性が高く評価されています。同社と提携して共同でデザイン開発に取り組み、日本のトレンドなどを組み合わせたオリジナル商品も手掛けています。一方で独自のカラーオーダーシステムを採用、フレーム塗装色のバリエーションを数多く取りそろえるなど選択の幅も広げてもいます。※③アルキリボルト(Archirivolto): アルキリボルトは、1983年にClaudio Dondoli / クラウディオ・ドンドリとMarco Pocci / マルコ・ポッチによって設立された工業デザイン・建築デザインのスタジオ
価格競争の商品の扱いを全部やめて、オンリーワンで売り上げを立てられるようにできたら最高なんですが、それは見果てぬ夢として、まずは10年以内に世界最大規模の国際家具見本市「ミラノサローネ」※④に出品したいですね。出展には厳しい審査があります。でも日本の家庭用家具メーカーは多く出していますので、我々も業務用でそれに伍していきたいです。インテリアのトータルプランナーとしての活動も拡大していきたいので、新たな人材も求めています。ポイントは「明るく元気にあいさつできる人」です。ご興味のある方は一緒に新しい歴史をつくっていきませんか。そう語る梶原氏の力強い言葉から「QUON」が業務用イス・テーブルの定番ブランドになる日も近い将来に違いありません。