eコマースで名入れ事業を一変させた、オオサカの若き社長

株式会社レスタス (旧 株式会社名入れ製作所)/ 代表取締役 大脇 晋 氏

9年前、大阪に「名入れ製作所」という、ちょっと不思議な名前の会社が誕生した。
業務内容はその名の通り、カレンダーやタオルなどに会社名を印刷すること。こうしたノベルティグッズは、今やオールドファッションとも見られるが、ITを最大限に生かして業界の常識を覆し、新たなマーケットに変えたのが大脇晋氏(40)だ。

eコマースで名入れ事業を一変させた、オオサカの若き社長


昨年「レスタス」に社名変更した会社を引っ張る若き社長は、熱い志を持った根っからの大阪人。縮小するマーケットでいかにして業績を拡大し、将来にどんなフィールドを描いているのか。

アナログと電子技術の融合で取引先は1万社超え


大脇氏は元リクルートマン。トップアプローチ営業で優秀な成績を挙げていたが、何百人も会った社長のほとんどが「未来」を語るのに触発され、自分も“そっち側”、すなわち経営に携わりたいと思うようになった。踏み出すきっかけとなったのが、29歳で遭遇した2008年のリーマンショック。日本のみならず世界経済が急減速する中、「このタイミングでスタートして生き残れたら本物だ」と転身を決意。新たなビジネスモデルで勝負するスタートアップ企業を目指して考えた職種は、靴磨きやゴルフ場のクーポンビジネス、立ち食い割烹など100種類にものぼるが、その中で選んだのが、名入れのeコマースだった。

名入れ印刷だけだったらアナログですが、これを受注から納品までを徹底的にシステムによって自動化でかつeコマースでやれば、半分テックですから、勝てる!と思いました。「名入れ」という会社名も、事業スタイルとギャップがあったら面白いと考えて付けました。どこか、昭和の感覚があるでしょ。

カレンダーやタオル、年賀状、シールなどカテゴリーごとにブランドサイトを立ち上げ、ユーザーとサプライヤーをシステムで直接つなぐことで無駄を徹底的に排除しました。eコマースにしても訪問営業にしても、モノを売るストーリーが分かっていれば同じこと。プロセスをシステム化し、簡略化しただけです。それがユーザーファーストと評価され、年間ユニークユーザーはh法人は1万社、個人でも15万人を超えました。


早く、安く、簡単にオーダーメイド品を提供


大脇氏のとった手法は、業界の慣習を打ち破るものだった。
従来、発注から納品までは販売店や2次卸し、1次卸し、メーカーなどを介して1か月くらいかかるのが当たり前だったのを、インターネットを通じて2クリックで注文を完了するシステムを構築し、納期を最短で2日に短縮した。そのうえ、価格を大幅に引き下げ、カレンダー10冊という小ロットでも引き受けた。ただし、業界ルールを次々に破ったため、「業界の問題児」とまで言われていると、大脇氏はいう。

【出典】サービス | 株式会社レスタス | LESTAS.INC 
https://www.lestas.jp/service/


当社には営業がいません。すべてインターネットを通じて行えるからです。そもそも、営業がいなくても売上を上げれる仕組みを持つ会社が低い販管費で戦えて、最終勝ち残ると考えており、この9年間でシステムのアップデートを進めてきました。当社のシステムにはメッセージテンプレートが150ほどそろっており、お客様に対して対応するスピードが圧倒的です。
且つ、発注方法はイラストレーターなどの専用ツールがなくても自由に原稿を作成でき、ナビゲーションに沿って発注していただくだけ。ですから、お客様のタスクが減ってストレスがないうえ、機械学習に基づくシステム対応でミスも起こりません。
新しい社名の「レスタス」にも無駄なタスクを一掃するという使命感を込めています。つまり、「レス」はLESS(減らす)であり、「タス」はタスクと足すの意味を兼ねています。あらゆるオーダーメイド品を早く、安く、簡単に提供することを加速させたいという思いの表れです。


eコマースの名入れ・オーダーメイド品のプラットフォーマーを目指し、アジア市場参入も


それにしても、なぜ前近代的ともいえる「名入れ」だったのか ━━。そこにも冷静な分析と明確な見通しがあった。

eコマースで名入れ事業を一変させた、オオサカの若き社長


例えば、名入れカレンダーは明治時代から続いている文化で、現在でも年間1.5億冊のカレンダーが配られています。シュリンク市場もインターネットチャネルは拡大しています、オーダーメイドの商品を低い価格で簡単に提供できれば新しいお客様を掘り起こすことも可能です。
販促物は、1度作るとなかなかやめられません。やめたら、あそこの会社は大丈夫かという疑心暗鬼が広がるからです。つまり与信機能も有しています。ゆえにお客様の9割以上がリピーターです。また、大手は、拡大する市場にはどんどん参入していきますが、レガシーでニッチな名入れのような業態には入ってきませんから、既存の業界から一歩抜け出せれば成長は容易です。起業に際しては競合分析やサプライネットワーク、価格設定などを入念に分析しました。勝算あっての立ち上げでした。当社は、名入れ・オーダーメイド品をシステムによって簡単に身近にすることで、プラットフォーマーを目指しています。 
この市場は世界にも市場があり、我々はアジア市場の攻略を計画しています。


求む! 成長意欲の強い人


若い会社だけに、社員の平均年齢は34歳。さまざまな業種を経験してきた人が、自分の得意分野で思う存分腕を振るえる企業文化ができあがりつつある。
今年初めて新卒を採用しました。当社は高成長を目指している会社であり、会社が大きくなるとともにやるべき業務も拡大していきます。若くても発案すればどんどんやってもらいます。当社が求めるのはとにかく成長意欲の強い人、当事者意識が高い人です。3日前、1週間前の自分を稚拙であったと否定できる人間であれ、と言いたいですね。中途半端より真っ白で地アタマがいい人の方が早く仕事を覚えられます。ロジカルで情報キャッチアップに長けた早々たるメンバーがおり、意欲さえあればどんどん学んで吸収していけますよ。

大脇氏は大阪・靭本町の出身というバリバリの大阪人。それだけに、東京一極集中に歯がゆさを感じている。スタートアップ企業35社を率いる若手経営者らで「秀吉会」https://hideyoshikai.com/ をつくって切磋琢磨しあうのも、大阪の関西地域の飛躍を目指すからだ。

こんなに首都圏一極集中しているのは、日本の他では英国と韓国ぐらいじゃないでしょうか。
地方都市が盛り上げなければ日本は強くなりません。もっと関西に面白くて、ワクワクする会社があれば優秀な人が関西に集まってくると思います。
そんな関西地域を引っ張るリーダー的存在になりたいですね。


eコマースで名入れ事業を一変させた、オオサカの若き社長


株式会社レスタス / LESTAS.INC(旧 株式会社名入れ製作所)
本社:〒530-0005 大阪市北区中之島3-2-18 住友中之島ビル4F
オフィシャルサイト:https://www.lestas.jp/



社長インタビューとは?

社長インタビューは、大阪で活躍する企業の経営者の思いやビジョン・成功の秘訣などを掘り下げる人気コンテンツです。 商品誕生および事業開始秘話から現在までの道標や、経営で特に意識をされているところ、これからの成長において求める人材… 様々な視点から、企業様の魅力を発信致します。現在、大阪府下の中小企業様を120社以上の取材を通じ、「大阪 社長」「大阪 社長インタビュー」といったビッグワードで検索上位表示の実績があります。取材のお申し込みについては、下記よりお問合せください。


同じカテゴリー(大阪市北区)の記事画像
日常にミューラル(=壁画)がある環境を! 日本のアート、カルチャーの先導者
月収5万円の元芸人社長の快進撃!「芸人インターン」サービス
小学生からの起業家教育サービスで、若者の挑戦をデザインする会社
数々の事業で成功を収めた若き起業家の思い描く理念とは?
コーポレートコーディネートで「人を育てる会社」
産後家族のライフスタイルからサポートし、家族を笑顔に!
同じカテゴリー(大阪市北区)の記事
 日常にミューラル(=壁画)がある環境を! 日本のアート、カルチャーの先導者 (2024-04-05 09:30)
 月収5万円の元芸人社長の快進撃!「芸人インターン」サービス (2023-12-15 09:30)
 小学生からの起業家教育サービスで、若者の挑戦をデザインする会社 (2023-12-08 09:30)
 数々の事業で成功を収めた若き起業家の思い描く理念とは? (2023-12-01 09:30)
 コーポレートコーディネートで「人を育てる会社」 (2023-11-17 09:30)
 産後家族のライフスタイルからサポートし、家族を笑顔に! (2023-10-06 09:30)