時代を読み、常に顧客が欲しいと思う商品を作り続ける

株式会社ピエラス 代表取締役社長 比那勝郎 氏

株式会社ピエラスは日本のみならず、巨大市場である中国をはじめ、世界23か国の現地代理店に販売をしている自社工場を持たない製造販売会社だ。販売している商品群は多岐に渡り、常に時代を一歩先行く商品を開発し続けてきた。
メガヒットとなった主力商品の「プロポリンス」(洗口液 マウスウォッシュ)は、コロナ禍の前から発売しているものだ。
そして、昨年からは初の家電販売を開始した。空気除菌清浄機「mediAir(メディエアー)」の販売である。
世界でも空気清浄機の激戦国といわれる日本で新たな挑戦が始まった。常に時代の先駆けとなる今までにないものを製造販売している株式会社ピエラス 代表取締役社長 比那勝郎氏に話を聞いた。

時代を読み、常に顧客が欲しいと思う商品を作り続ける



メジャーとは違う路線で勝負をかけた100円化粧品


20数年前は色物化粧品(口紅、アイシャドーなど)を作っていたんです。化粧品は大手にはかなわない。ロープライスの化粧品を作って100円コスメとしてダイソーに卸してました。まだ、ダイソーが1000店舗もいかない数百店舗のころでした。
※国内ダイソー店舗 : 3,620店舗(直営2,820店舗 代理店800店舗)、海外ダイソー店舗2,272店舗(24の国と地域)/現時点:ダイソーHPより 

その時のマーケットの評判は「100円の化粧品なんて怖くてつけられない」という悪評でした。
ただ、クオリティーが高かったので、コンビニのプライベートブランド商品としても並べられるまで拡大でき、メジャーとは違う路線の商品を製造してきました。
サンリオとは40年来の付き合いがあり、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)ではお土産用のUSJキャラクターコスメを販売しています。


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今でもダイソーにはよく足を運び、今何が注目されているのかを常にキャッチする。比那氏は昭和18年生まれだと聞いたが、その探究心は若いころとまったく変わらないようだ。

小袋入りの入浴剤「日本の温泉めぐり」がメガヒット!



昭和20年代はみんな銭湯に行って固形石鹸で頭を洗っていたが、シャンプーなるものが出てきて、みんな一気にシャンプーに変わった。
そんな時代で感じた経験が常に比那氏のチャンスに活かされていく。

大阪の西武の外商に「なんかノベルティーない?」と頼まれ、サンプルとして小袋入りの入浴剤を商品化しようということになって、全国の温泉協会にずいぶん商談に通いました(笑)。


そうして出来上がったのが、小袋入りの入浴剤「日本の温泉めぐり」(後に「湯治場めぐり」に改名)である。
入浴剤といえばバスクリン(「津村順天堂(現 株式会社ツムラ)」)の時代。
小袋に入った入浴剤はまだ販売されていなかった。
今までなかった商品は、爆発的にヒットし、メガヒット商品となった。

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メガヒットはなかなか出るもんではありません。100個作って当たるのは1個か2個。損しないのが10個か20個がメーカーの世界です。


その1個か2個のメガヒット商品が10年ほど前に誕生する。

口の中の汚れを可視化する口腔化粧品「プロポリンス」


メガヒット商品が今も主力商品になっているのが「プロポリンス」だ。
口臭の原因になる口腔内に残ったタンパク質などを吸着し、見える化してくれるので、スッキリ感が実感できる。「プロポリンス」を原液のまま口に含み20秒ほどくちゅくちゅして吐き出すと、黒っぽい固まりのようなものが出てくる。これが、磨き残しや口腔内の汚れなどである。成分はプロポリスエキスをはじめキシリトールなどの天然成分だ。いかに口の中が気持ちよくなるかを考えた商品はないわけではなかったが、口臭対策のものしかなかった。最初は販売に苦労したそうだが、今では日本国内はもちろん、中国をはじめ東南アジアでは知名度NO.1商品となっている。

中国で一躍有名になったきっかけは人気歌手・フェイウォン (王菲)、日本の美空ひばりさんみたいな歌手です。フェイオンの自宅の撮影で置かれていた「プロポリンス」が、SNSで注目されたのがきっかけになって知名度が瞬く間に拡大しました。ラッキーでしたね。


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これからは空気がキーワード


「1940年代は食、50年代は衣、60年代は住。90年代頃からは健康。そしてこれからは空気がキーワード」と比那氏。
空気除菌清浄機「mediAir(メディエアー)」に力を注いでいる。
今までまったく取り扱ってこなかったカテゴリーである。どのようにして、この商品にたどり着いたのか、そこには比那氏が長年培ってきた人脈と、チャンスを見逃さない鋭い感性があった。
常にアンテナを広げ、これまで台湾に380回、韓国には190回、コロナ禍までは、月に一度は韓国と台湾に出向いていたそうだ。

韓国では中小企業が開発した商品は「これはいい商品」と評価を受けても財閥企業にすぐに吸い上げられてしまうんです。逆にもの凄く中小企業の社長は勉強しているから商売上はとても勉強になります。韓国で中小企業の男性に空気除菌清浄機「メディエアー」の前身となる商品を見せられ、日本で販売をしてくれないかと相談されたんです。
その男性はアメリカで空気除菌清浄機の技術者だったのですが、韓国の販売権を所得したものの韓国で販売する手段を持ってなかった。ただ日本は世界の中でも空気清浄機の激戦国。大手企業の家電メーカーがしのぎを削っているので、簡単に引き受けるわけにはいかなかったんですが、話を聞くとその男性の空気清浄機は性能がすばらしかった。DFS(※1)が搭載されていました。


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その男性の空気清浄機には何と、アメリカ政府がパテントを取得した特許技術DFS(「DFS TECHNOLOGY」)技術(※1)が搭載されていた。
DFS技術は米ソの冷戦時代に細菌戦争を想定し、アメリカの軍事予算で開発されたもの。アメリカの主要な軍事施設、政府ビルをはじめ世界中の様々なところで採用されているのだ。
今はパテントが切れ、家庭用として搭載できるようになっていた。
(※1)DFS技術:「DFS TECHNOLOGY」(米ソ冷戦時代に細菌戦争を想定し、アメリカの軍事予算で開発された特許技術

現在は菌と戦う時代、菌に比べウイルスはもっと小さい。その菌を殺して埃もニオイも除去できる空気除菌清浄機なら大手とも戦えるはず。「日本で販売しよう」と決断し、すぐ動いた。
アメリカ本社を紹介してもらい、日本での販売権を取得し、2018年に開始した。
空気除菌清浄機「mediAir(メディエアー)」は、世界基準のDFSテクノロジー採用により、業界標準のHEPAフィルタ ー(0.3μm)(※3)では捕捉しきれない、 0.007μm(マイクロメートル(※2))もの超微粒子を帯電させ統合。

浮遊ウイルス、浮遊菌、カビ、PM2.5、ダニの糞や死 骸などの有害微粒子までも捕集し、空間を浄化するという画期的なものだ。 近畿大学の薬学部の細胞培養をしている研究室でも使用されており、培養室の実験も以前より順調になったという。
(※2)マイクロメートル:1μm(マイクロメートル) は0.001mm
(※3)HEPAフィルター:空気中の0.3μm(マイクロメートル)以上の粒子を捕集することができるエアフィルター


現在、国内では菌・ウィルスを不活化にする空気清浄機は存在せず、近いものでパナソニック 社のジアイーノがある。 しかしジアイーノは次亜塩素酸を噴霧し空気中の菌・ウィルスを不活化するものではあるが空間のPM2.5,ダニの糞や死骸等の有害微粒子を捕集するものではない。

メディエアーは、これらの『有害微粒子』やシックハウス症候群に起因するホルマリン・トルエン等の揮発性化合物にも有効なのです。
またメディエアーは雑菌以外にもアレルゲンの除去にも効果的です。


コロナ禍もありメディエアーへの問い合わせが殺到している。
現在、メディエアーの導入先は多岐にわたり国内の至るところに導入されている。

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比那氏は殆どのマスコミ取材を断ってきたと聞いた。
今回、特別に『オオサカジン』の取材に応じてくれたのは、空気除菌清浄機「mediAir(メディエアー)」に対して相当の自信があるからだろう。
今、まさに「空気」の時代。
時代感の視点に長けた比那氏が、また新たに打って出る。


株式会社ピエラス

本社 〒540-0029 大阪市中央区本町橋1番30号 ピエラスビル
オフィシャルサイト:https://pieras.co.jp/cp-bin/wordpress5/
オンラインストア:https://pieras.stores.jp/
空気除菌清浄機「mediAir(メディエアー)」:https://mediair.jp/




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