部屋は心を映す鏡 モノと心の両面にアプローチする『片づけ心理学®』

ビジューオーガナイズ株式会社 / 代表取締役 三谷直子 氏

今年で創業13年目、法人化して8年目となるビジューオーガナイズ株式会社は、片づけからスタートし、現在は心の整理をアプローチしてくれる会社である。行動療法としての片づけを提唱、受講生は15,000人を超え、インストラクターを480名養成。代表取締役 三谷直子氏は、15万人の有資格者を輩出するNPOのトップ講師としても活躍している。

部屋は心を映す鏡 モノと心の両面にアプローチする『片づけ心理学®』

実はもともと片づけが苦手でした。仕事を頑張っていると目の前のことばかり気持ちがいくので、片づけは後回しにしてしまいがちです。今でこそ、片づけの本はたくさん出版されていますが、当時は参考にする本もなく、片づけ方を教えてくれる人もいなかったんです。23歳の休みの日に「私の人生、なんでからまわりなんだろう」って思ったときに「部屋は心を映す鏡」という言葉が頭をすっと過ったんです。

起業するのは、それからしばらくしてからになるが、そのときにふと過った言葉が、後に起業をするときのベースとなった。

27歳の時にNLP(※1)を学んだんです。何が好きで何を目指したいかなどのプログラムを出していくと、必要なものと必要でないものの基準が変わってきて、持ち物とかも整い始めました。でも仕事の方は、2回就職し、2回とも辞めてしまいました。上司に「コミュニケーションを学んだのは無駄、あなたは組織にはなじまない」と言われてしまったんです。ショックを受け1年半、勤めに出ることができなくなってしまいました。
(※1)NLP:Neuro Linguistic Programing(神経言語プログラミング)の略称別名「脳と心の取扱説明書」とも呼ばれる最新の心理学。成功している人の共通点を見出し、誰もが結果を出せるように体系化したもの。

上司の言葉は三谷氏を打ちのめした。そんな底を打った三谷氏を立ち直らせてくれた出来事、それは高校野球・夏の甲子園のテレビ中継だった。
9回裏ツーアウト満塁、バッターが打つと延長戦になるシーンで、打席に立った選手の顔がとてもいいを顔していたんです。「なんていい顔をしているんだろう」と羨ましくなりました。そのとき「もう二度と履歴書は書かない」と決意しました。


「片づけ」×「コーチング」で起業する



その高校球児の表情を見て「二度と履歴書は書かない」と、決意した三谷氏は、面接を受けて仕事を得るのではなく、自ら仕事を生み出すことに考えを切り替えた。そしてまず、自分はどんな困りごとが解決できるかを考えたという。浮かんだのは、コミュニケーションと片づけだった。心の中のことは誰も見えないし心が変化しても記録には残らない。いくら変わったとしても本人が「変わっていない」と言えば変わっていないことになる。そこでプロセスが目に見え、結果が目に見えるものは何か。それは、手に触れることができ、写真に撮れる事実。結果が見えるものがいい。片づけは、ビフォーアフターが明確である。このとき、再び「部屋は心の鏡」という言葉が過ったそう。2010年3月、こうして「片づけ」×「コーチング」つまり部屋を片づけることを行動療法として使う仕組みを考え、起業した。まだ片づけブームが来る少し前のことである。

部屋は心を映す鏡 モノと心の両面にアプローチする『片づけ心理学®』

当時片づけブームの前で、まわりからは理解してもらえなかったんです。まだ仕事になるかどうかわからなかったので、片づけサービスを無料でモニターの方のところでやりました。20か所を3回ずつくらいです。それから整理収納アドバイザー1級(※2)の資格も取得しました。
(※2)整理収納アドバイザー:整理収納アドバイザーはハウスキーピング協会によって定められた家事能力に対する認定制度。1級の試験は「整理収納のプロフェッショナル」として社会で活躍できるような考え方と知識が備わっているかの判定を行っています。


片づけブームの追い風に乗り2012年頃から仕事が忙しくなり始め、2014年にはスタッフ募集するまでに成長した。そして、2015年の年末にかかってきた電話がさらに忙しくなるきっかけとなった。あの人気のテレビ番組で取り上げられたのだ。

最初はコレ、ホントかな??と思いました。NHKの番組から「片づけの会社を探している」とうちにかかってきたんです。放映中から、何件も問い合わせがあり、とても忙しくなってきました。

その番組はNHK大阪放送局制作の『ルソンの壺』(2007年4月8日から2021年3月21日まで近畿地方のNHK総合テレビジョンで放送)である。片づけの専門会社として取り上げられ、多くの人に認知されるきっかけとなった。
『ルソンの壺』に放送されたおかげで反響がたくさんあり、おかげさまで講座依頼も増え、軌道に乗ってきました。そして、次の事業展開を考えることができました。


ひらめきの上に成り立ってきた 新しい取り組み



片づけ現場での経験と全国で開催した講座で得られたノウハウが詰め込まれた「ビジュー式 片付けカードワーク®」(※3)は、片づけのプロが簡単に講座を開催できるカードワーク。このカードは、三谷氏が考えたもの。その上でスタッフが使いながら「こんなものがもっとあれば、、、」といううちに100種を越える。

部屋は心を映す鏡 モノと心の両面にアプローチする『片づけ心理学®』

実はこの「ビジュー式 片付けカードワーク®」は、東京で開かれたコンテスト(整理収納アドバイザーが選ぶ「シンプルスタイル大賞2017」)で金賞をいただいたものなんです。

(※3)ビジュー式 片付けカードワーク:行動療法としての片づけを、手軽に、楽しみながらカードを使って疑似体験できる。カードワークアイテム写真と説明が書かれた100枚のカードを、整理の理論に則って仕分けするカードワークで楽しみながら、片づけ・整理収納への意識を高める講座が開講できる。

また「おしゃれ終活®︎」「俺の終活®」の養成講座も新たに加わった。これは『片づけ心理学®』をベースにした、前向きになって、新しい自由を手に、もう一花咲かせる自分になる…そんな新しいスタイルの終活である。

部屋は心を映す鏡 モノと心の両面にアプローチする『片づけ心理学®』


コロナ禍でリアルが吹っ飛ぶ



ところが、このコロナ禍でリアルに人に会う仕事はふっとんでしまった。しかしリアルで関わる整理収納がストップした時期に、またまた新しいアイデアが生まれることになる。

リアルの仕事がストップした中「方眼ノート」メソッドに出会いました。実はこの「方眼ノート」の書籍『頭がいい人はなぜ 方眼ノートを使うのか?』(※4)、友人が貸してくれたんですが、最初読んだとき正直自分にはまらなかったんです。でもあるとき、スタッフが仕事の課題、プロジェクトを考えて、次の行動に移すまで時間がかかりすぎて「夜寝てません」と言うので、それなら一度私が教える人になってこの「方眼ノート」講座を受けてもらいました。すると今まで全く仕事が進まなかったのが、見事に考えが整理され、スムーズに仕事が出来るようになったんです。その時、私のやり方をどのスタッフに伝えてもいいとは限らないことに気付きました。これをきっかけにスタッフのために「方眼ノートの講座を教える人になろう」と考え方を変えました。


部屋は心を映す鏡 モノと心の両面にアプローチする『片づけ心理学®』

(※4) 『頭がいい人はなぜ 方眼ノートを使うのか?』:オールカラー図解化!全24事例公開!マッキンゼー、ボスコン(BCG)、東大合格生…トップエリートが使うノートで、6つの能力がみるみる上がる!

三谷氏は、最初に志した行動療法としての片づけが形になり、片づけを通して心と思考に手で触れ、実践できる『片づけ心理学®』を始めた。でも片づけられない悩みはつきない。それは、やり方だけをいくら勉強しても行動が継続できないからである。誰しも心当たりがあるのではないだろうか。片づけたいのに片づけられない、片づけたのにまた散らかる。「なぜ?」をクリアにして、「片づけからスタートして、アクションを起こし少しでも片づいて、前から変化したことに自分を褒めてあげる(肯定する)」そのスイッチを入れる講座なのである。
プロセスの中で自信がついて、昨日の自分より今日の自分が好きになってもらえたら嬉しいですし、真の片づけにみなさんが近づいて欲しいんです。

最後に、無類のあんこ好きだという三谷氏に、大阪ではどんなあんこスイーツが好きなのかを聞いてみた。
私はシンプルに会社の近所ならば「出入橋きんつば屋」(※5)のきんつば、ここが一押しですね。もし1種類だけ甘いものを食べられるとしたら「つぶあんの固まり」がいいです。あんこそのままをスプーンですくって食べたいです。
(※5) 食べログ 出入橋きんつば屋

部屋は心を映す鏡 モノと心の両面にアプローチする『片づけ心理学®』

そんな根っからのあんこ好きの三谷氏ですが、やはり心の底にあるのは「部屋は心を映す鏡」という言葉、いわば座右の銘として今も大切にしているという。部屋が散らかると元気がなくなる。片づけられるのは性格ではなく、日々の習慣。片づけができる人のやり方もあれば、できない人のやり方もある。テーブルの上をきれいにするだけでもいい、一か所だけでもいいのできれいにして自分の少しの変化を褒めてみてください。

ビジューオーガナイズ株式会社
本社:〒530-0047 大阪市北区西天満3-2-4 大三ビル504
オフィシャルサイト:http://bijou-organize.com/


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