目標はデブのプラットホーム!デブ専門のアパレル、そしてエンタメへ羽ばたく会社

株式会社Mr.Bliss(ミスターブリス)/ 代表取締役 横尾美徳氏(マイコー社長)
※以下、本文はデブ(太っている人)に敬意を称してあえて「デブ」と記載。

目標はデブのプラットホーム!デブ専門のアパレル、そしてエンタメへ羽ばたく会社

世の中の太っている人はおしゃれができない、サイズが少ないからおしゃれを諦めているのではないか。「デブ=ダサイ」の概念を打ち破ろうと、肥満体系だからこそ、お洒落に魅せることができるファッションを提供したいと、一念発起。

通販で大きいサイズのメンズ服専門店を起業し、オリジナルのカッコいいメンズ服を提供している「QZILLA」「Beluca」。加えて、現在、約200名以上のデブが所属する「デブカリ」を運営している。このありそうでなかった会社を起業したのが、株式会社Mr.Bliss(ミスターブリス)代表取締役 横尾美徳氏、愛称・マイコー社長である。

目標はデブのプラットホーム!デブ専門のアパレル、そしてエンタメへ羽ばたく会社
目標はデブのプラットホーム!デブ専門のアパレル、そしてエンタメへ羽ばたく会社

起業する前は、どのような仕事をされていたんでしょうか?
20代から広告デザインを手掛けていました。そのスキルが活かせるレディースファッション会社でWEBデザイナーのリーダーとして、サイトの立ち上げからデザインなどの仕事をしていました。当時からどこも同じようなファッションを作って販売しているなと感じていたんです。もっと個性を出せないものかという思いで、その頃から「いつかWEBデザイナーとしての自分のスキルを使い、大きな仕事をしたい」という目標がありました。


ファッション業界に物申したい


40歳には、何かしら行動したいと決めていたんです。それが何かははっきりとはしていなかったんですが、ファッション業界に物申したいと思っていました。その一歩として、妻に「家にあるダサい服を集めてきてくれ!」って、集めてもらったんです。着てみると予想通りのダサさでした(笑)このファッションで「マイコー」として、SNSでファッションを語る、語る。

いただいた名刺もそのダサい服からコーディネイトした「マイコー社長」の写真付きである。すべて今まで家に仕舞い込まれていた服や小物だ。チェックのシャツにGジャン・頭にはバンダナ巻き・黒いサングラス。どこか懐かしいファッションのようであり、一度見たら忘れられない印象に残るファッションだ。

マイコー!デブでもカッコよくなる服を作ってくれ


デブ専門のアパレルを起業するきっかけは?
なぜかデブの友人が多かったんです。賢くて、教養もあるし、商才もあるのに、みんな服がダサかった。どこにもデブのおしゃれな服は少なかったんです。デブがネガティブ方向になる原因のひとつが服がダサいことなんです。ファッション業界は、”デブには機能性を重視したデザインや、ラッパーみたいなファッションさえ与えとけばいい”程度にしか考えていない。


「マイコー」の愛称でSNSでファッションを発信していくうちに、「マイコー、デブの服を作ってくれや」という声を聞くようになる。それ以来、マイコー社長は、めちゃめちゃデブのファッションをリサーチした。いくらリサーチをしても案の定、カッコいい服は少なかったのだ。

これは、※1)「ブルーオーシャンだ」と思いましたね。40歳で起業する1年前からデブにまつわるブログを書いて、アクセス数を貯めていきました。そのときからデブ専門店を始める時の店名も決めていたので、ブログと同じドメインで店のブログに移行しました。すなわち、ショップ立ち上げ当初からある程度のアクセスは確保できる状況を作り出したんです。

※1)ブルーオーシャン:「競争相手が比較的少ない場所」を指すマーケティング用語

普通のデブをかっこよくしたい デブ専門ブランドを立ち上げる


こうして、40歳でなにかしら行動したいと考えていたマイコー社長は、40歳になった2016年3月に起業。6月には大きいサイズのメンズ服オンラインショップ「QZILLA by.Mr.Bliss(クジラ バイミスタープリス)」をオープンした。

最初は、僕のイメージしているデブのモデルは見つからず、苦労しました。街頭で声を掛けて、1人、2人と集めました。外国人のモデルも欲しかったので電車の中で見つけたりしました。さすがに電車の中では声を掛けずらかったんで、駅を降りてから声をかけました。ただ、その人は、しばらくして「副業ダメよ」って音信不通になりましたがね。

そんな失敗を繰り返しながら、理想のモデルを探し続けたマイコー社長。どんな人が理想のモデルなんだろうか。

基本、170㎝から75㎝までで100㎏から130㎏、エンドユーザーに近い体系の方です。デブ界にはいっぱいいるタイプです。

なんとかモデルを見つけ、通販で大きいサイズのメンズ服専門店としてスタートしたものの最初の2年間はかなり赤字、ヒット商品はなかなか出なかった。
「デブはファッションを諦めているのか」、いやそんなことはないはずだ。まずは会社のことを知ってもらうことが大事だと、PRに務めた。そのPR方法は奇想天外だった。
自社ブランドのTシャツを着てもらい、冷凍トラックに乗り込みました。-10℃のショールームで、お客様たちはアイスを食べながらくつろぐという奇抜な演出だった。寒すぎるはずだが…

けっこう、みんな平気でしたよ。

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そんなPRが功を奏したのか、関西のテレビ番組で取り上げられ、一気に知名度が上がった。関西テレビの「よ~いドン!」の人気コーナー「となりの人間国宝さん」だ。

かなり知名度アップになりました。会社に「試着室」を作っているんですが、来てくれるお客さんが「やっと見つけた」「デブ専門の会社を作ってくれてありがとう」と言ってくれるんです。レディースをやっていた時は経験したことがなかったことです。デブでもおしゃれをしたかったんです。

100kg以上のデブを借りるなら「デブカリ」誕生


目標はデブのプラットホーム!デブ専門のアパレル、そしてエンタメへ羽ばたく会社

デブはその人の個性。ありのままの姿で活躍できるはず!うちの服を着ておしゃれを楽しんでもらいたい。デブに活躍してもらいたい。さらなる展開として、2021年4月「デブカリ」を開始する。

ドラマとかには必ずと言っていいほどデブが1人は登場しますし、うちの服を着てデブに活躍してもらいたかったんです。

「デブカリ」とは、読んで字の通りデブを借りるから「デブカリ」である。100㎏超えのデブを1時間2,000円でレンタルできるサービスだ。
「デブをかっこよく」「デブに栄光を」というマイコー社長の想いが、形になった。現在、男女合わせて約200人以上がデブカリに登録している。

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年齢は様々で20代から50代。登録できる審査基準は、「人を楽しませることができること」「ポジデブ」(ポジティブなデブ)「明るい人」だ。どんな人が「デブカリ」を利用しているのだろうか。

いろいろです。個人ですと、SNSに出てほしいとか、法人の場合は、アパレルのファッションモデルが一番多いです。

「デブカリ」の人気は上昇中で、2022年8月には、「デブカリ」プロデュースの総重量225kgの『ご立派系貴族姉妹ユニット「Delicious Renaissance(デリシャスルネッサンス)」』がデビューした。

デブの魅力を出して、ちゃんとしたデブのアーティストに育ってほしいんです。服もオリジナルで、歌も歌います。これからどんどん、活動していきたいですね。

ロック&ワルツという新しいジャンル、第一楽章「Delicious Renaissance」が各種音楽サービスで彼女たちの名刺代わりに配信がスタートした。これからが楽しみなユニットである。

ファッションからエンタメまで、その範囲はどんどん広がりを見せている。マイコー社長に今後の目標を聞いた。

うちの服を着て喜んでくれる人がいる。みんなめちゃいい人でやさしいんですよ。これからどんどんデブの魅力を知ってほしい。そして、弊社はデブのプラットフォーマーとして日本一の企業を目指しています!

これからますます進化していきそうである。会社内の試着室で、服を見せてもらったが、どれもおしゃれで、着心地を工夫された生地で、動きやすそうだ。

今までサイズを探すのが精いっぱいで、デザインまで選べないから、おしゃれを諦めていた方には、ぜひ、試してもらいたい。
デブをかっこよく、デブをおしゃれに、デブをかわいく、デブ愛が止まらないマイコー社長に、これからますます目が離せない。

株式会社Mr.Bliss(ミスターブリス)
本社:〒541-0051 大阪府大阪市中央区備後町3丁目3番1号 3階E号室
オフィシャルサイト:https://qzilla.jp/
デブカリ:https://www.debucari.com/




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