ジャンルを超え、次々にヒットビジネスを生み出す、竹之内氏のアタマの中

株式会社T’s インベストメント 会長 竹之内教博 氏

20代の頃は美容師として複数店舗の統括をしながら、美容室のコンサルタントとして従事。
30代でリラクゼーションスペース「りらくる」を開業し、わずか7年で600店舗以上に拡大。40代前半には、新たなビジネスにチャレンジすべく、「りらくる」を投資会社に270億円で売却。現在は、飲食事業・有料職業紹介所の運営・アプリ開発事業・ECサイト構築など10以上の事業を手掛け、次々に成功に導く若き実力者がいる。
それが株式会社T’s インベストメント 会長 竹之内教博氏だ。
一介の美容スタッフから日本人資産ランキング43位に上り詰めた彼のアタマの中とは?
そこには目からうろこの成功のノウハウがあった。

ジャンルを超え、次々にヒットビジネスを生み出す、竹之内氏のアタマの中


100%は求めず、売れるための仕掛け作りをした美容師時代


一体、どのようなきっかけで事業を立ち上げ、若くして今の地位を築くまでになったのか。それは、美容師を志した18歳の時から片鱗があった。どのようなタイプの美容師だったのでしょうか。

最初、間違えて理容室に就職したんです。すぐに美容室に移ったんですけどね。18歳のときです。美容室では1年半で店長になりました。最終的には、3店舗のプロデュースをしていました。


アシスタントから髪を切るようになるまでにも3年はかかるのが当たり前の美容師業界であるが、驚きのスピード出世である。
アシスタントのときからスタイリスト(※1)のつもりで振舞っていました。アシスタントは髪を乾かすのが仕事で、カットはしませんが、いつもハサミを携帯していました。髪を乾かしながらお客様には「次、髪が伸びたらこんなカットをしたらいいですよ」とアドバイスをしていました。

(※1)スタイリスト:一般的に「美容師」と呼ばれる人のこと。0からのスタートで、アシスタントからスタイリストになるには平均で3年ほどかかると言われている

同僚や先輩には何も言われなかったのですか?
同じポジションの人に嫌われるのは覚悟していました。同僚に好かれる必要はないです。意地悪とかをされても気にしません。努力するところは何か?必ず絞り込みます。努力することを一点集中しないと、あれもこれもでは頑張れないです。
店長になってからは、教育をしっかりするタイプでした。「僕みたいな店長になれるように頑張ろう!」とアドバイスしたりしてましたね。

美容室では、売り上げを上げるためにはお客様にトリートメントやシャンプーなどのケア商品を勧めるのも仕事の一つ。店長として「もっと、こういうものを売らないとダメだ」と、いくら言ってもなかなか成果が出ない。いつしか毎日、怒るようになっていた。
その人のためになるようにと、アドバイスしていたつもりだったのだが・・・。
ある時スタッフに「だから竹之内さん、嫌われるんですよ。」って言われて「僕、嫌われてたんだ!」と気づきました。なぜ、スタッフがシャンプーなどの商品を売るのが嫌なのか、その理由を分析しました。

無理に商品を勧めると嫌な顔をするお客様がいる。竹之内氏の場合は、うまくフォローができるので、嫌な顔もされず商品が売れる。しかし誰もが自分と同じようにはできない、それを求めるのは間違っている。お客様に声をかけてシャンプーの購入を勧めるのが嫌なのであれば、それをしないでもシャンプーが売れればいい。
真の要因を細かく分析をすることで、解決策を生み出していった。
「しくみ」を作ったんです。例えば、レジに売りたいシャンプーを置いて、紙に「本日、〇〇さまにご使用したシャンプーです。」と書いた上で、シャンプーの説明を記入するようにしました。これなら、スタッフの誰もが簡単に記入できますし、無理にお客さんに説明したり、購入を勧めたりする必要がありません。100%は求めない。誰もが僕みたいにするのは不可能です。せめて自分の給料分、それ以上の働きができるような「しくみ作り」をしていきました。


ジャンルを超え、次々にヒットビジネスを生み出す、竹之内氏のアタマの中

働くのをやめてみたら、承認欲求が出てきた


美容師時代の経験が「りらくる」を始めとした事業に大きく影響している。今も次々に新事業に取り組まれていますが、常に経営のことや新しいことを考えていらっしゃるのでしょうか?
そもそも僕は働きたくない、しばられたくないんです。いつか、不労所得で暮らしたいと思っています(笑)。


もう、不労所得で暮らせるのではないかと思い、そこを聞いてみると、実際、働かなかった時期があったという。
2、3年 働かない時期があったんです。グアムやハワイへ行って買い物したり、ゴルフをしたりして暮らしてみたのですが、2、3年もするとすべてに飽きてきました。
ゴルフの腕を上げても満たされないし、金持ちだとみんなにちやほやされても、相手に嫌な思いをさせていないかと思ったりしました。だんだん、「僕は、誰の役にも立っていない」と思うようになってきたんです。何もしたくなくなってしまったんですが、僕のやり方はどこでも通用すると思い、雇われ社長になり検証してみよう。そして雇われ社長になりました。


竹之内氏が雇われ社長になったのが、全天候型室内遊園地「ファンタジーキッズリゾート」(※2)である。社長になってからは、利益を一億円も増やした。自分のやり方はどこでも通用すると自信を持った竹之内氏は、この5、6年で25もの様々な事業に着手し、成功させている。
(※2)ファンタジーキッズリゾート:0~12歳までの子どもと家族を対象にした日本最大級の会員制室内遊園地。ファンタジーリゾート株式会社が運営。現在竹之内氏は代表取締役会長

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ビジネスをするなら絶対集客できる成功するビジネスを選ぶ


30代で「りらくる」を起業したときは、モデルになったリラクゼーションサロンがあり、その店を徹底的にリサーチし、「りらくる」でも実践した。いわゆるTTP(徹底的にパクる)(※3)である。

僕からすればTTPは当たり前なんです。事業をされるとき、ギャンブル的なことをされる方が多いですが、僕はギャンブルは嫌いです。お金をかけてビジネスをするなら絶対集客できるビジネスを選びます。みんなやりたいことで起業をしますが、パチンコと同じでこの台が当たるといっても当たらない時もある。やりたいことで起業するのはギャンブルと同じです。当たる根拠がない。僕は「客が来る根拠」を考えます。なぜ、その店は流行っているのか、集客できているのはなぜか。それには徹底的にリサーチをします。リサーチにはいくらかかってもいいんです。

(※3)TTP:Tettei(徹底)Tekini(的に)Pakuru(パクる)(Tettei Tekini Pakuru)」の略語。発祥はリクルート・グループから

リサーチの一例としてメンズのまゆ毛サロンを大阪でやろうとしたときは、東京で超有名なまゆ毛サロンを見習った。大阪で開業するにはどの立地で開業すればいいのか分からなかった竹之内氏は、実際に不動産業をしている人にリサーチをさせた。
その方法とは?
超有名なまゆ毛サロンの会社に「関西でやるなら手伝わせて欲しい」と連絡して、メンズのまゆ毛サロンを開業するための物件の条件をすべて聞きました。そして関西の不動産業者を動かし、様々な情報をもらいました。
もちろん、弊社内にも不動産の資格者もいたので、実際に不動産を手伝うつもりでもいました。売上げの上がっている場所、利益の少ない所もリサーチしました。


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答えは明確。経営の判断基準は利益が出るか、出ないか


あらゆる業種の会社を運営している竹之内氏に、会議はどのようにしているのかを聞くと、会議はほぼしないという答えが返ってきた。
立ち上げの時は、ほぼ毎日のように会議はしますよ。でも「しくみ」を作ればそれでOK。社員からいいアイデアを欲しいとは思っていません。アイデアはトップである僕が出せばいい。会議というのは売り上げが伸びるための意味のある会議ならいいですが、売り上げの報告だけの会議はいらない。アイデアを出せる人が集まってやるのが会議です。よく、AかBかで迷い答えをあいまいにしたまま保留にする経営者がいますが、判断基準は「利益」です。
この理念がぶれない限り、経営判断はサクサクできるのです。


様々な形で経営コンサルタントをされていますが、アドバイスを受けられた方の反応はいかがですか?
アドバイスをして満足しなかった人はいないですね。僕はノウハウを伝えているのではなく、「考え方」を伝えています。どんな事業でも考え方が変わると儲かる考え方でずっといられます。


現在、YouTubeにも力を入れている。登録者数は現在、30万人になっている。
ビジネス系ユーチューバーと言われている竹之内氏だが、どう考えているのだろうか。
登録者数を増やせば認知される。ビジネス系のユーチューバーは、いくら多くても登録者数は50万人が限界。
エンタメ系は登録者数が無限に伸びる確率が高いので、登録者数を増やすためにエンタメ系を試しています。
例えば、数人の社長連中と一緒にぶらり旅をしたりする企画とかもやりましたね。


ジャンルを超え、次々にヒットビジネスを生み出す、竹之内氏のアタマの中


もちろん、アイデアを考えるのは竹之内氏である。儲かる可能性があってもFXや株はやらないという。その理由は、FXや株は、失敗したときに学ぶ理由がないからだ。まさに原理原則だ。
最後に、今まで失敗経験はないのか伺った。
ありますよ。「りらくる」の後に始めたコッペパン事業は、流行っている所を真似て6店舗出したんですが、失敗しました。
福島県で有名な流行っているコッペパン屋に修行にも行ってもらって開業したんですが、流行っている福島県のコッペパン屋が流行っているのは、特殊な状況だったんです。


失敗した理由を分析し、そこから論理的に整理すれば学びになる。20代の前半からいつか成功のノウハウの本を書きたいという気持ちを持っていたそうだ。
やり方を学ぶのではなく、考え方を知ることで学んでいくことが大事だという。

今でも新たなビジネスモデルを見つけたときはワクワクするという竹之内氏が、次はどんなビジネスモデルを見つけるのか、大いに期待したい。

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株式会社T’sインベストメント
本社:大阪市中央区南本町3丁目2-9-9F 
オフィシャルサイト:https://ts-investment.jp/


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